「5月は売り」とは株の格言ですが、今年に限れば「6月に買え」とでも言いたげな1ヶ月。特に気を吐いたカナダドルの動きに前兆はあったのでしょうか?少しだけ振り返ってみましょう。
30日の変化率は4%超え!
下に代表的な通貨ペアとダウ指標を並べたチャートを出してみました。
左上はラストスパートで気を吐いたユーロ。右上がダウ平均、左下は豪ドル、右下がカナダドルです。
30日の変化率を出した数値で、カナダドルだけ4%を超え、他を置いてけぼりにしていることが明らかですね。
ここまで強くなる深い予兆はあったのでしょうか?3つの要素を振り返ってみましょう。
① チャート形状|ハーモニック
もう、おなじみハーモニック。古典的なバタフライという形状が綺麗に決まっていました。1.27というポイントで引っかかりが見えますね。
要因の一つとは言え、綺麗に決まってます。数値のバランスも完璧です。
いつもながら惚れ惚れします。次行ってみましょう。
② 金利は「これから」と言っていた
為替をやる以上、ここからは絶対に逃げられない相手・・・金利ですね。
下のグラフは、カナダドルと米ドルとの金利差を出し、その強弱をヒストグラムで表してやったものです。
6月13日に金利が跳ね上がり、そして価格も跳ね上がったものの、全然まだ余力を残していることが分かります。
「もう」は「まだ」なりと言いますが、まさに6月13日がそういう状態でした。
③ 売りすぎて周りに誰もいない・・・
新聞で耳にすることも多い「ネットポジション」を少し加工してパーセント表記したものがこちら。
5月9日から、いわゆる売られ過ぎの40%を超えています。
もう「みんな売れ売れもっと売れ!」の状態で、最後はババ抜き合戦のエリアに来ていたということですね。
値動きとポジション動向のコントラストは、明らかに「やってしまった」人たちの背中を感じさせるものになっています。
この状態から気合だけで売っていた人のロスカットが引火した、いわゆる「踏みあげ」も一つの要因だったようです。
まとめ
以上は、カナダドルには3つの反発条件が揃っていたことをまとめてみました。
もちろん、6月28日水曜日にカナダ中銀の発言が吹き上げのトリガーにはなりましたが、状況が揃ってなければ何も起こらず終わるもの。
周りをすべて囲われていたカナダドルは、原油のつるべ落としに付き合ってしばらくは横に向かったものの、その勢いも終わり上に発射されるしか無かった状況だったわけですね。
そう見ていくと、トレードは状況証拠を揃えて犯人を追い詰めていくようなアプローチという考え方もできます。
「人の世に道は一つということはない。道は百も千も万もある。」とは坂本龍馬の残した言葉。
「絶対に勝てる方法を完成させる」ことは無理かもしれませんが、道を多く持つ人の方が目的地には近づくのでしょうか?
相場の神様に聞いてみたいところですね。
ハッピー・ウィークエンド!
佐々木さんの分析はためになります。
ただし、表現が凝っていて、よく読み返ししないと理解が進みません。
高度な頭脳向けでないもう少し平易な表現の方が助かります。
・カナダドルと米ドルとの金利差のグラフに凡例がない
・金利は「これから」と言っていた
・もう「みんな売れ売れもっと売れ!」の状態で、最後はババ抜き合戦のエリアに来ていたということですね。
・値動きとポジション動向のコントラストは、明らかに「やってしまった」人たちの背中を感じさせるものになっています。
・この状態から気合だけで売っていた人のロスカットが引火した、いわゆる「踏みあげ」も一つの要因だったようです。
文筆家になれます。
分かりやすい文章の書き方は、課題ですね。ご指摘ありがとうございます!