プラチナは供給不足で動くか?

白金とも呼ばれるプラチナが安値を掘り続けて止まりません。一方で供給側の問題で値が動く可能性も出てきています。

少し状況を整理しておきましょう。

下は週足のプラチナチャート(ドル建て)。下落まっしぐらですね。

2019年も安値更新を続けるプラチナ

理由はディーゼル需要の低迷です。

プラチナはディーゼル車の排ガスを綺麗にするための触媒として使われる用途が最大です。

そのために、ディーゼルエンジン不人気が続き需要低迷→プラチナの需要も減少→値段も低迷 という訳ですね。

詳しくは、2016年に書いた記事が参考になるかもしれません。

https://www.cocosta.jp/2016/platinum-tesla/

このプラチナは南アフリカが90%近い生産を占めます。

そのため、カントリーリスクが勃発すると供給が細り、値は荒く動きます。

昨今のパラジウムも同じですが、需要が増えることより、供給が締まることのほうが値動きへの影響は大きくなります。

そう、大きな値動きは供給側から引き起こされるのです。

そして南アフリカは今、未曾有の電源不足に直面をしています。

発電を担う国有会社の長年にわたる怠慢から、発電量が大幅に落ちているのです。

こちらは2月14日のWallStreetJournal記事の日本語訳を簡単に書いておきます。

「アフリカで最も発展した経済が、今週は数年の中でも最悪のブラックアウト(停電)に見舞われた。家庭やビジネス、インフラも一日9時間に渡り停電となっている。

この電源ロスは、同国のマイニング産業の足かせとなっている。

信号停止で交通マヒが起こり、料理も家庭内で出来ない状態である。

3ヶ月以内には大統領選も有り、 前任者のスキャンダルで当選した現職が勝てるか問われている」

The Wall Street Journal

電源不足は、いつも南アフリカのアキレス腱になってきました。

特に最初の2007年後半から2008年5月にプラチナが最高値の2300ドルを付けた時も、この電源不足が背景にありました。

とはいえ、電源問題や鉱山のストライキも今年に入ってから頻発していますが、値段は今のところ、動いていません。

プラチナは、このまま下落を続けるのか?それとも電源ロスで鉱山供給が細り高騰するのか。

あなたは、どちらだと思いますか?

※ お断り

筆者はプラチナのロングポジションを保有しています。買い側にバイアスが入っている可能性はありますので割り引いて読んでくださいね。

追伸:記事を書いてからの推移

この記事を投稿した直後からプラチナは値を上げて行きました。記録用としてツイートしたものを貼っておきますね。

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