ビルゲイツ氏が4月30日に寄稿した「COVID-19ワクチンについて知っておくべき事」を読むにつけ、コロナウィルスから平常に戻ることの至難さを感じずにはいられませんでした。
簡単にポイントだけ抜粋・翻訳をしてみました。
原文:What you need to know about the COVID-19 vaccine
- コロナウィルスを克服できるのはワクチンが完成し、地球上の人すべてに行き渡るとき。
- COVID-19ワクチンの開発は最短9ヶ月、最長24ヶ月とみている(通常のワクチン開発は5年間を要する~プロセスの説明あり)
- 通常生活にもどるための選択肢はワクチンの完成以外に存在しない
- 4月9日現在、ワクチンの候補種類は115に及び、この中でも8から10の候補は期待値が高い
- 抗体の作用・RNA/DNAワクチンの説明あり
- 完成ワクチンが完全なものでなくとも受け入れる必要がある
- 天然痘ワクチンは副作用も強く皮膚に傷を残し、具合の悪くなる人も出た
- それでもワクチンは天然痘の予防に寄与した~コロナ版も同じことになるかもしれない
- 安全性と効率(治癒率)を天秤にかける必要も出てくる
- 難しいのは高齢者にも効くワクチンであること。加齢にしたがい免疫システムの対応能力は落ちる
- 高齢者が最も影響を受けるコロナウィルスは、なおさらこれを重要にしている。
- 高齢者には投与量を増やす等も必要になる可能性があるが、すると副作用の危険度も上昇することになる
- 最も困難なのは70億人分のワクチンを製造すること
- 投与回数・保管方法・輸送方法などの問題点も乗り越える必要がある
- 現実的にはワクチン投与の優先順位を付ける必要が出てくる
- 医療関係者が最初に来るのは当然だが、その次はどうする?高齢者なのか先生なのか、より必要とされる仕事への従事者なのか?
- (ゲイツ氏の考えでは)低所得の国家が最初に受け取るべきだと考えている
- なぜなら感染後に死亡する確率が大きく、感染速度もそれらの国が速いから
- 通常はワクチン製造工場を要する国が最初の受け取り国となる
- WHO等は公平な配布方法を検討する必要がある
- ワクチンは必ず完成する、だから今は国が示すガイドラインに沿った行動を取ってもらいたい
およそ上記のような内容です。
これを読んで、ワクチン完成で一撃解決とはならないことが、とても良く分かりました。
ワクチンの開発速度が優先させるためには、一定のリスク(投与による死亡者数など)は受け入れる覚悟が必要であること。
もっとも死亡者の多い高齢者層は多めの投与が必要であり、それが犠牲者を生むことが想定されること。
仮に高所得国で製造されたワクチンを最初に低所得国へ回すという、国益よりも地球全体で考える必要に、人類が対応できるのか?
ワクチンが全員に行き渡り免疫を獲得した時点で、どの程度の経済ダメージが蓄積しているのか?
そのようなことを感じました。
私たちにできることは、私たち一人一人が問題を正しく認識して、自分たちの行動を自制してワクチンの完成まで耐えることなのでしょう。
とても考えさせられる記事でしたので、シェアをさせて頂きました。