値上がりを続けるガソリン代から、電気自動車(EV)へ買い換える方も増えているようですね。
我が家でも、乗っていたガソリン車が故障をしたことを契機にE Vへの買い替えを検討。
なんなら自動運転の未来が添付されているテスラにしようと、最安グレードのモデル3を2021年秋に購入しました。
納車から3ヶ月を経て運転に少しだけ慣れてきたこともあり、愛犬を連れ東京ー九州1,150キロのドライブに挑戦をしてみました。
その経験談をこちらで書いてみたいと思います。
- テスラで充電しながら長距離移動って大変じゃない?
- 愛犬を連れて長時間ドライブとか、犬に負担がかかるんじゃない?
などの疑問を持たれている方に、何かの参考にでもなれば幸いです。
お断り:
この記事は2022年4月時点で筆者が経験をした内容であり、再現性があるかは保証できないことを、ご理解ねがいます。
では早速進めていきましょう。
移動した車両モデルと日時など
まず最初に、移動で使った車両について書いておきますね。
こちらは2021年12月に納車された、テスラ・モデル3のスタンダード・レンジです。SR+やSRと表記されたりもします。
ロング・レンジかSR+かで迷われる方もいると思います。自分がSR+を選んだ理由は以下の通りでした。
- 自動運転(FSD)オプションを予算内でつけたかった(今後のアプデに期待)
- 車両の重量が全グレードで一番軽かった(省エネなら軽量?)
- 犬連れで3時間を超える連続運転はないと思った(犬ファースト)
- エアロホイールが格好良かった(最近はロングレンジでも選べるように)
など、個人的な偏見が満載ですね。ということで、いわゆる標準的なテスラ・モデル3の最安グレードです。
次に移動をした期間について。こちらは2022年3月31日4月1日にかけての移動となりました。
復路は「東京九州フェリー」に車両を乗せての移動となりました。この原稿は、帰りのフェリー内で書いています。
なお、この記事は時系列で振り返りつつ、都度で気づいたことを入れていくランダムな書式となっています。
あくまでも一つの体験談ということで、多めに見て頂けたら幸いです。
一気に1,150キロの工程を時系列に書いてみる
スタートは、さいたま市内の自宅から100%充電で21時に出発しました。
最初の目的地は、浜松サービス・エリアのテスラ・スーパーチャージャーです。
200キロ程度の距離は、80%程度の消費で到達できる距離となります。。
夜間移動でヘッドライトの電力消費があったり、御殿場越えの上り坂があったり、家族三人と犬1匹に荷物満載での車両負荷などあり、実際の消費は手探りの中で出発しました。
なおバッテリーへの充電率は、テスラのモデルによって推奨設定が異なります。
手元のモデル3はリン酸鉄リチウムという普及版バッテリーを装着した後輪駆動であり、100%を毎日入れることを推奨されています。ただロングレンジだと別のバッテリーを使っており90%未満が推奨とか。
Your Charging Habits(日本語は未対応っぽい)
tesla.com/support/range#charging-habits
ということで100%充電で移動を開始します。
さて出発前の天気予報では、降水確率40%。ちょっとした雨も想定しつつ、21:30 ころから東名高速道路入り。
ところが22時ころから降り出した雨は勢いを強め、途中でどしゃ降りに。
夜間の東名高速は大型トラックの走行が多く、先行車両から巻き上がる雨飛沫も全開です。
オートパイロットで走行するも、途中でカメラが雨飛沫で効かなくなり始め、警告音とともに自動運転は解除。手動運転へと切り替わりました。
ハンドルのイラストが真っ赤になって警告音が出ていたので、ひょっとするとハンドルの握りが甘く自動運転を解除された可能性もあります。
Teslaのオートパイロットは、ハンドルをしっかりと握り常に回転させる圧力をかけていないと警告が鳴り、何度か繰り返すとオートパイロット機能が解除されます。
そうなると停車してパーキングに入れない限り、オートパイロットを使わせてもらえません。
経済制裁ならぬ、オートパイロット制裁ですね。何度か食らうと、ハンドルをしっかり握るようになります。効果大。
さて御殿場を過ぎたあたりで雨足は弱くなりました。手近なパーキングに立ち寄ってオートパイロットの復活をするか、それとも浜松まで残り30分を手動運転で行くか。
結局は停止する時間が惜しく、手動運転のまま浜松SAに直行することとなりました。
なお、日本ではTeslaのスーパーチャージャーは高速道路のパーキング敷地内には設置されていません。
浜松SAでも同じく。ETC のゲートをくぐり、浜松SA直結の一般道用駐車場にTeslaのスーパーチャージャーは鎮座しています。
0時18分にスーパーチャージャーへ到着。バッテリー残量18%で充電を開始。ちょっとバッテリーの減りが大きいように見えますが、理由はプレコンディショニングという機能でしょう。
充電速度を最速にするため、事前に車両側のバッテリーを受電に最適な状態に維持しておく機能です。
その過程でバッテリーを温めたりするので、電力の消費が大きく推移するんですね。
これだけ聞くと電力コストが損に見えますが、そうでもないんです。
日本は非関税障壁的な法制度が残っているため、充電の電力コスト計算が時間単位になっています。
これはTeslaの公式ページにも書かれていることで、本来は充電した電力に応じて課金したいが日本の法制度がそれを許さず、仕方なく時間課金にしているとか。
つまり充電する側にとっては、電力消費が少々大きくなろうとも、充電時間を最速化したほうがコストはお得になるということ。
日本のガラパゴス的な法制度を自分の財布で実感することができる瞬間です。
さて浜松SAのスーパーチャージャーでは、駐車場所の真横に設置された階段を5段ほど登るとサービスエリアの敷地内に入ります。
トイレ・コンビニでの買い物を済ませ、愛犬の散歩・排泄・水の補給をします。
家族3人のトイレ休憩を終え、コンビニで食料を買い、愛犬の足裏を拭き、リードを後部座席のハーネスに付け替え、軽くタイヤの空気圧を確認し、運転席に戻りドアを閉めれば、およそ25分。
バッテリーの充電も85%まで回復。すこし待って90%に到達したことを確認し、充電を終了。ケーブルを外してスーパーチャージャーに戻します。
これで所要時間はだいたい30分ちょっと。犬連れの方なら、休憩時間はおよそ似たような感じになるかもしれません。
次の目的地は、大阪は豊中のスーパーチャージャーに設定し、ゆっくりと出発します。
ここで少し話は外れるのですが、充電スポットについて書いておきます。
自分は納車されるまで、高速道路や道の駅にあるEV充電器も使えば長距離移動は楽勝だろうと思っていました。
が、一度だけ道の駅に設置されているEV充電器を使い、その考えが甘すぎることに気づきました。
まず充電を開始するまでの登録が煩雑です。
充電器に貼ってあるQRコードからスマホで指定サイトに飛んで会員登録。メールアドレス宛に飛んでくるURLから本登録に進み、クレジットカード情報を入力。
なぜかアンケートへの回答を強要され、適当に答えを入力して次に進みます。
もう登録だけで旅行以上のエネルギーを費やした感があります。さらに選んだ充電器(チャデモと言います)が非力な20kwモデル。ついでに日本独特の30分で充電打ち切り。
結局、充電率30%から39%と9%しか回復しませんでした。
事前にEV充電の契約をしておけばスムーズに開始できるのでしょうが、自分のように基本は自宅充電だと必要ないサービスです。
都度課金なら、カード番号を入力して終わりにしてほしいです。もっと言えば、普通にカード決済機能をつけてスワイプして終わりにしてくれよと。
アンケートって何よ?移動に必要だから充電しているのよ。それ以外ないやん!
という感想しか残らない原体験が最初にありました。
実はテスラのスーパーチャージャーを使ったのが、その後だったんですね。
駐車場に到着 → 電源ケーブルを車両に装着
以上で充電開始です。
「え、これだけ?本当に充電してるの?」というのが最初の感想。
そんな懸念を笑うかのように20分ほどで充電は5%から80%へ75%復活。超簡単の爆速でした。
さらに道の駅原体験で支払った電気代が600円弱。スーパーチャージャーでの支払いは900円弱。充電できた電気料の差は、9% VS 75%。どんだけコスパ違うねん!
ということで今回の移動のプラン段階。
高速道路から一般道へ出る必要がある不便さを含めたとしても、スーパーチャージャー以外での充電は最初から候補に入れる気にはなりませんでした。
さて、浜松から豊中への移動に戻りましょう。
雨も止み交通渋滞もなし。順調な滑り出し、、、です?
いや、なんか大型トラックがめちゃくちゃ多い。
悪気はないんでしょうが、追い越し車線までフルでトラックが埋めています。
ほとんど速度に差がないトラックが追い越し車線に乗るため、追い越しが完了するまで長い長い時間がかかります。というか追い越す気ない?
おそらくですけれど、車両の速度が会社に管理されていて速度超過すると査定に響くなどあるんでしょうね。
だから追い越し車線でも、追い越される側のトラックとの速度さはわずか。結果的に追い越し車線が埋まります。(以上は推測でした)
新型東名高速が誇っている時速120キロの区間も、実質的に出せる速度は90キロ台が続きます。
別にオートパイロット入れてるから、まあいいやと思いながら運転していると、何か違和感を感じます。
横のトラックが近い???
うわ、寄ってきた!
睡魔が襲ったトラックが車線をはみ出し。避けるために一度は急ブレーキを踏まされる羽目となりました。
どれだけ自車が正確にレーンと速度を守って走行していても、ふらついた他車に近づかれるのは怖いですね。
このような経験を経つつ、テスラに乗るときは、脳内リソースの使い方にコツがあることが分かりました。
- 通常の車:車間距離や速度、走行車線内の位置どりなど
- テスラ(オートパイロット時):自動運転を切るタイミング
オートパイロットでの運転は、高速道路上に限れば、相当に正確かつ安全です。
ただし、他車を運転しているのは、ほとんどが人間です。中には睡魔と戦いながら(ご苦労さまです!)、ハンドルの操作を誤ってしまう方もいるでしょう。
人間が運転していれば感じる「あ、ちょっと前横の車がヤバい」という感覚は、さすがに検知できません。
いや、逆に検知されたら人間は用無し?
なので、「いつオートパイロットを切ればいいか」に意識を集めておけば、バランスが良いようです。
そうすれば、余分な脳内リソースを消費することもなければ、危ない思いをしそうな局面に入る前に、手動運転へ切り替えることもできます。
一般車で高速道路を運転をしていると、意外と脳内リソースを継続的に消費します。
車線内の位置、先行車との距離、後続車の確認などなど。
一つ一つは小さくても、ずっと続くとダメージが積み重なります。
ストリートファイター2で、ガードの上から攻撃されてライフ目盛が徐々に削られるイメージです。
そんな感じで積み重なる脳内リソースの消費は、オートパイロットで「ほぼ0」にすることができます。
そして浮いた分を「自動運転を切るタイミング」の判断に充てておくと、長距離ドライブはとても快適になることが分かりました。
さて浜松を出てから豊中への移動は快調。途中、一箇所だけ高速のパーキングに立ち寄り、愛犬のトイレ休憩。
そこで見たのは、1台しかない既存のEV充電器(チャデモと言います)に2台目の「待ち」が発生している状況でした。
旅先で電欠となればジエンド。並んででも充電をしないと出発できない事情は、道の駅での充電原体験がある自分には、痛いほど分かりました。
もしテスラでないEVで高速道路を使い、長距離ドライブしたかと聞かれれば、自分のようなセッカチな人間は、明らかにNOと答えることになりそうです。
「充電待ち」は事前に予測することができません。アプリで「空き」でも行ってみたら1分の差で埋まってしまったとかもあるため、充電時間を確定させることができないのです。
テスラだと拠点ごとに複数台のスーパーチャージャーが設置されています。今のところ、「充電待ち」に遭遇したこともなく、到着してからケーブルを差し込むだけで充電開始の利便性は別次元です。
と言っても、それは他電気自動車と比較しての話。
ガソリンスタンドなら高速のSAに設置されています。給油も数分で完了することを考えれば、長距離運転の利便性はガソリン車に軍配が上がる感はあります。
あとはコストの比較ですね。自分の前車では満タンでおよそ40ℓ。ハイオクなので今だと満タンで8,000円ほどになります。
それに対してテスラのスーパーチャージャーは、原価提供。自宅充電よりも安かったりします。
今回、埼玉から九州まで移動した間の充電ストップは4回。テスラのスーパーチャージャー課金は、3,773円でした。146kw の充電ですから、kwあたり26円弱です。
自宅給電より安い。。。
これがガソリンだと2回給油で16,000円というところでしょうか。
ざっくり 1/4 という費用感覚です。
ガソリン車と比較するのか、それとも他のEVと比較するのかでも、評価は変わってきますね。
さて浜松を出発してからは豊中スーパーチャージャーまでノンストップで移動します。
到着は午前3時30分。充電残量9%で到着です。
テスラのメンテナンス拠点の駐車場にスーパーチャージャーが8台並んでいます。
昼間は産業拠点の場所も夜は閑散としています。そんな夜中は寂しい場所に、ひときわ明るいテスラの駐車場。まるで甲子園のナイターなみに光が降り注いでいます。
ただ営業時間外なのでトイレなどは当然のことながら使えず。充電中に愛犬を近隣の道で散歩に連れ出し、トイレを済ませて車に帰還。
さて、何もすることがなく時間は午前3:55。充電も85%に到達。
ここで痛恨のミスを犯します。
もともとのプランでは、豊中で100%充電を完了し広島のスーパーチャージャーまでノンストップで移動予定。
ですが、早朝4時までに高速道路のゲートをくぐれば、深夜割引の適用になることが頭によぎります。
結果、小銭を掴みに行くために充電を85%で切り上げて出発。ところが近隣の豊中ゲートから高速道路へ接続の途中で、一般道路を挟みます(少なくともその時はそんな経路でした)。
そのため、高速道路本線のゲートをくぐったのは4時過ぎ、そして充電率は中途半端な9割未満。
これだと広島のスーパーチャージャーまで到達できません。
結局、必要なフル充電を捨て、割引を捨て、何も残らないという愚策を取ってしまいます。
そのため、豊中から広島の間に倉敷スーパーチャージャーへの立ち寄りを追加することとなりました。
この場所は少し瀬戸大橋寄りに近い場所で、さらに高速の出口から少し離れた立地。
午前6時に到着したため、まわりの電気店など閉まっておりトイレも使えず。仕方ないので犬の散歩を済ませ自車へと戻り仮眠時間に充てます。
30分ほどで90%まで充電率は復帰。目覚めたら早々に広島のスーパーチャージャーへと移動します。
ここまでくれば、移動もなれたもの。高速に乗ったらオートパイロットを起動し、あとは目的地を目指すだけ。
広島のスーパーチャージャーはLECTというショッピング・モール立地。”アーバン”と呼ばれる少し出力が小さい機種が並んでいます。
ここを出れば、次は最終目的地までノンストップです。
距離にして320キロほど。昼間の移動なのでヘッドライトの電力消費もなし。90%くらいでOKだろうと充電スタート後は爆睡します。
なお、この時間はLECTの一部店舗はオープンしていますから、トイレも利用可能な時間になっています。が、自分は何もせず爆睡でした。さすがに後半は疲れる。。。
タイマーを100%充電完了予定の45分後にセット。ハッと目が覚めると43分経過で充電表示は100%。大急ぎでケーブルを外します。
Teslaは充電完了後もケーブルを差しっぱなしにしておくと、1分ごとに罰金を取られます。充電渋滞を避けるための配慮ですね。
あとはノンストップで目的地に向かうだけ。移動を開始するとメッセージが表示されます。「目的地に到達するには、時速105キロ以下で走行してください」だそうです。
ここからは、途中でチャデモ充電を使いたくない一心で、省エネモードへと入ります。
具体的には、、、空力です。
走行距離を縮める最大の要因は、速度を上げて空気抵抗をモロかぶりすることです。
ですから高速道路に入り、しばらく一番左側の走行車線で様子を見ます。
そして自分が理想とする速度の車両が過ぎ去ると、すかさず追い越し車線へ移り追随します。
今回の移動で一番ありがたかったのは、アルファードという大型のミニバン(なんと矛盾した表現!)。
先行者がトラックだとタイヤの数が多く、小石をはね上げられる確率が上がります。ミニバンならタイヤの数が乗用車と同じなので、安心。
先行車両に空気抵抗を被ってもらい、自車はおこぼれをもらう作戦です。
何だか、出来高が跳ねた後に残った抜け殻の戻りを狙う取引戦略と近いですね(職業病?)。
さて前者追随の効果で電費は改善。目的地到達の推定バッテリー残量も、10%程度まで復帰しました。
出発時は2%とかだったので、運転方法で空力を工夫すれば、随分と距離が延ばせることも体感しました。
ということで、最終目的地に無事到着。犬も特に疲れた風もなく、元気に走り回っていました。
まとめ
- テスラで犬連れの長距離ドライブは、結構快適
- スーパーチャージャーの使い勝手は異次元に良い
- オートパイロット使用時は脳内リソースを「いつ切るか」に集中すると良い
- 充電のプランは事前に固めておくと失敗しない
以上は、極めて主観的かつ個人の経験に基づく感想ばかりの記事でした。
テスラを買おうか迷っている方、犬連れで大丈夫かなと考えている方にとって、考え方の踏み台にでもしていただけましたら幸いです。