ギャンブルは資金力のある人が勝つと聞くことがありますが、本当でしょうか?コインを投げた場合の確率を計算して検証してみると、以外な事実が分かります。
こんな話を耳にしたことがあります。
「ギャンブルは資金力のある人が勝つ・・・。例えばコインの表か裏を当てるゲームがあったとして、外れる度に掛金を倍にしていけば確率からして、いつか当たった時に負けをすべて取り返せる。だからそこまで資金を持たせられる人が勝つ。」
何か理が通っているように聞こえつつも危険な気がしませんか?ちょっと掘り下げてみましょう。
まず最初に資金力の定義が分かりません。5万円を保有する人が、確率1/2で掛金の2倍がもらえるゲームに1回5,000円(準備資金の1/10)を投下するとします。この場合は10回連続で負ければ資金0でゲームオーバーです。
では5億円持っている人ならどうでしょうか?0の桁が増えるだけで、5万円の人と同様に資金の1/10を一回に投下(5,000万円)すれば、10回連続負けで資金0になることに変わりはありません。
そして「負けが続くほど、次の賭けで勝てる確率が増える」という前提が一番の問題で、これこそ「Gambler’s Fallacy (ギャンブラーの誤謬)」と呼ばれるものです。
5回表が出たら、次は裏?
完全にバランスのとれたコインを5回投げ、すべて表が出たとして、その次のプレーで裏が出る確率を求めてみます。
コインを振るたびに表が出る確率は1/2ですから、「表」が5回連続で出る確率は 1/2 × 1/2 × 1/2 × 1/2 × 1/2 = 1/32 で間違いありません。
そして次のゲームで「表」が出る可能性は、1/32 × 1/2 = 1/64 のような気がしますが、、、。事実はどうでしょうか?
6回目で「表」と「裏」が出る可能性をそれぞれ比較してみましょう。
ケース1: 表が6回続けて出る可能性
1/2(表) × 1/2(表) × 1/2(表) × 1/2(表) × 1/2(表) × 1/2(表) = 1/64
ケース2: 表が5回続けて出たあと、6回目に裏が出る可能性
1/2(表) × 1/2(表) × 1/2(表) × 1/2(表) × 1/2(表) ×1/2(裏) = 1/64
6回目に表が出る可能性も1/64なら、裏が出る可能性も1/64、「1/64 対 1/64」 ですから可能性は1:1、つまり次のゲームで表が出る可能性も、裏が出る可能性も等しく1/2となるわけです。
6回目に、どちらを選ぶか?
ではコイントスのゲームを仮にこうした設定で行った場合、6回目にはどちらを選ぶのが良いのでしょうか?
- 掛金は全て場に供託される
- 表か裏かを正しく当てた人が総取り
- 勝ち組内での配分は、掛金に比例して行われる
- 表と裏の掛金比率は表示されない
仮に参加者が100人で一人1万円を拠出したとすれば、場に100万円が供託されているわけです。
5回目まで全て表が出ているわけですから、「世間の常識で考える一般集団」は「裏」を選ぶことが確実に想像できるわけです。ところが実際には表も裏も出る可能性は1/2で同じなわけです。
この事実を知って「表」に賭けるのが自分一人であれば、リスク金額1万円に対して報酬が100万円(報酬率100倍)となるわけです。
反対に「裏」にかけてしまえば、リスク金額1万円に対して、報酬は1万100円(表にかけた一人の1万円を100人で割る)となり、報酬率は1.01倍となります。
報酬率からすれば、どちらを選択すべきか?明らかですね。
FXのトレードでも確率論で捉え、報酬比率の高いトレードに絞って実行していくことで、長期的な収益に大きな差が生まれてくることがお分かり頂けるのではないでしょうか?
それでは、ハッピートレーディング!