ところ変われば品変わるとはいいますが、ビッグマックのように国が変わっても品質が同じものもありますね。
その同じものを異国間の現地価格で比べ、本来の為替レートを逆算して求めようという試みの一つが「ビッグマック指数」。
エコノミスト誌が開発した数字を使ってシグナルを試作してみたところ、驚きの結果が!
ビッグマック指数でドル円のシグナルを作った結果は?
ビッグマック指数を使った為替レートの理論値を計算する方法は、特に難しくありません。
例えば、2016年7月31日のビッグマック指数は次のような数値です。
◯ 米国の価格 5.04USD
◯ 日本の価格 370JPY
もしビックマック指数が正しいのであれば、ドル円の為替レートは「370JPY ÷ 5.04USD = 73.41円」になるはずです。
ところが当日のドル円は101.83円と大きな差があることが分かります。
よく「円は過小評価されている」と米大統領からコメントが出たりするのは、このビッグマック指数も一つの指標になっているでしょう。
ただ、経済論で終わっては面白くないので、ビッグマック指数からドル円理論値を計算し、実レートとの乖離がシグナルとして機能するのかを見てみました。
もちろん、データの公開頻度は半年に1回なので短期デイトレードには向きませんが、せっかく無料で公開されているものは使って検証をしてみましょう。
元データ出処(The Big Mac index:Economist)
上のグラフの青い線が、我らドル円。緑色の線が、先ほど例で「73.41円」を算出したように日米のビッグマック指数を比較して出した為替レート。
そしてオレンジが、その2つの乖離をシグナル化したものです。
上に跳ねると、「ドルが過大評価されている」もしくは「円が過小評価されている」ということになります。
見ていくと、乖離が30%から40%のゾーンに入ってくるとドル円が下落しており、逆に0を割ってくると上昇の圧力として効いているようです。
もちろん2010年からのデータしか無いので不十分ではありますが、それでも興味深いですね。
もしこの法則が今も生きているなら、どうでしょうか?
最後のデータが2017年1月1日で、乖離は30%を超えています。つまり下落の圧力がかかるはず。
では、そこからのドル円週足チャートを見てみましょう。
ピンクで矢印を下向きに置いているのが、その地点です。効いてますね!
シグナルが30%を超えた後に、ドル円は118円→110円を切るまで下落しています。
当然ですが、為替のレートを動かす要因は沢山すぎるほどあるので、これは一面のデータでしかないでしょう。
ただ、こういう誰でも手に入る情報に一工夫を加え、そして数値化してやると、思わぬところでお宝を見つけることが多々あります。
本当にザクザクあるんです。
相場の神様がいるなら、こんなことを語りかけているかもしれません。
「必要なデータと材料は目の前に全部あるよ。だけど、本当に見ようとする人にだけ見える仕掛け付きでね。そうしておかないと、相場にならないでしょ(ウィンク)」
興味を持たれた方は、ぜひご自身でもいろいろと探してみてくださいね。
ハッピー・トレーディング!!