日本のFX人気No.1のドル円と、価格急騰中の暗号通貨シェアNo.1ビットコインを戦わせたらどうなるのでしょう?さらに「銀行に預けたお金の所有権は誰の手に」まで一気に新旧対決です!
比較1:検索トレンド
ネット上で、ドル円とビットコインがそれぞれどの程度の興味を持たれているかを調べてみました。
以下はGoogleTrendでの比較チャート・・・赤い線のビットコインが最近になってドル円を抜き去っていることが見て取れます。
新旧の2017年5月21日の週にドル円のトレンドを抜き去ったビットコイン、タイミングとして円建て価格が20万円を超えるかどうかというあたりでした。
それにしても興味スコアが、ドル円38に対してビットコイン73とダブルです。
世の中の興味は、数値で見ると、限られた期間ではあるもののビットコインに移っていると言えるのかもしれません。
比較2:値動きの大きさ|ボラティリティ
取引の対象として考えた場合、やはり気になるのは値動きの大きさではないでしょうか?
ドル円とビットコインの値動き幅を比較するために、ここではATRというツールを使ってみます。
24時間の値動き幅を30日間の平均で数値化し、比較をしてみましょう。
なお、見た目にわかりやすくするため、ドル円の側に一定の倍数を掛け、表面上の価格を揃えています。
チャート内の左側はビットコイン、右側がドル円、チャート下に描画した赤いラインがATRです。
数値を確認すると、右側のドル円が250近くを指しているのに対し、左側のビットコインは2,500近辺を指しています。
つまり、値動き幅(ボラティリティ)で比較をすると、ビットコインはドル円に対して10倍動くということになります。
ビットコイン現物を売買するだけで、ドル円をレバレッジ10倍で扱うのと同じインパクトがあるということですね。
資金管理は絶対に必要と言えるかもしれません。
比較3:所有権のタイムラグ
最後は少し角度を変えてみましょう。ドル円というより、「円」で考えてみます。
私たちが銀行に円という「お金」を預けたとき、その所有権は誰が持つことになるでしょう?
じつは銀行に預金した時点で、あなたのお金の所有権は銀行側に移転します(!)
「ええ、自分の現金の所有権がなくなるの!」と思われる方もいるかもしれませんね。
その代わり、預けた人は「払い戻し請求権」を受け取ることになります。
これはある意味仕方のないことで、銀行は預かったお金をさらに他の人や法人や国債などの運用資産に投じて利ざやを稼ぐわけですが、所有権がないものを他には投じられない訳です。
流通の世界に身を置かれたことのある方なら、商品の所有権でイメージするとわかりやすいです。
メーカーや問屋さんの商品所有権は、販売店さんに納品した時点で(売掛の入金を待たず)移転するのが一般的です。
商品の所有権を手放す代わりに、売掛金の請求権を手にしてバランスするわけですね。
預金した時に所有権が無くなるのも、同じようなイメージで捉えることができるかもしれません。
そう、私たちが普段使っている「円」は、送金や保管するために預金する必要があり、その時点で自分のお金の所有権は、名目上であっても無くなる訳です。
ビットコインは、この中間サービサー(銀行)がなくても所有権を移転できる仕組みをブロックチェーンで可能にしているので、所有権と送金のタイミングにズレが(基本的には)発生しません。
そういった所有権とお金の移動からタイムラグを無くしてしまうのも、このビットコインの破壊的なところです。
経理で売掛金&支払いサイトと格闘されたことのある方なら、それがどれほどの効率化をもたらすか、すぐにイメージが沸くのではないでしょうか?
こういうことを考えていくと、通貨の起源に興味が湧いてきますね。このあたりは、また機会があれば記事にしてみますので、お楽しみに!
まとめ
当記事では、ドル円とビットコインという似て非なる二つの通貨を比べる試みをしてみました。
分かったことは、私たちが生きている時代は、過去に前例がないことに満ち溢れているということです。
ビットコインという現代に降って湧いた黒船(?)は、新旧の通貨を前に並べ、私たちに考えることを促しているのかもしれませんね。