市場が決める原油 vs 中銀がゆがめる金利-マイナス価格直前だったビットコイン

WTIが$66を超え、強く推移していますね。米国の10年金利が跳ねて株式も為替も頭を打たれる中、唯我独尊で動いています。

このWTI原油スポット価格、0ドルを割り込んだ事件から1年も経っていないんですね。

値段の絶対値だけ拾ってみると、319日間の間に106ドルも上昇をしていることになります。

一方で米国の短期金利は「当時のまま」。これを見ながらツイートしたのがこちら。

少し話が前後しますが、ビットコインも2020年の3月12日には、マイナス価格突入の寸前だったんですよね。

WTI価格もビットコインも、マイナス価格に突入する理由は共通しています。

それは「流動性が消える」ことです。WTI原油の場合は、こんな感じでした。

  • 需要が止まり現物の引き取り手がいなくなる
  • 現物を受け渡しする中継タンク容量が無くなる
  • 現物決済がルールの市場なのに現物が渡せない
  • 買い手がいない → マイナス転落 (つまり流動性の欠如)

ビットコインはマイナス転落を免れましたが、もし0以下に転落していたとするなら、このような感じだったでしょう。かなりギリギリでしたが。

  • 値下がりからBTC建てハイレバ取引所の強制決済が始まる
  • マージンコール連発からの清算注文が売り板に乗る
  • 売りを吸収する買い板が食い尽くされる
  • 取引所間の裁定も証拠金のBTCが送金目詰まりで動かせない
  • 買い手不在のままマイナス突入(になりかけた)

そして原油もBTCも売り込まれた理由が流動性の欠如であっただけなので、放っておけば値は回復することとなりました。

一方で短期金利(チャート内のオレンジ色線)は底辺に張り付いたまま。

一方で米国の長期金利は跳ねていますね。下のスクショは3月7日のトレーディングカレッジで配信したもの。

オレンジ色の線は米国の10年金利を上下反転させたものです。

比較対象のインデックスを見ると、金利が今のレベルに留まりそうもないことを示唆しています。

こういうときは、金利の上昇に影響を受けやすいアセットの優先順位を把握して立ち回ることも必要ですね。

講義の中では、金利の影響を受けやすいゴールドにとどまらず、シルバーの日計りデイトレードをする方に向けたポイントも配信しました。

特にシルバーは「時間帯」ですね。自分も先週は1回だけですがシルバーの売りポジションから謙虚な利益を受け取りました。

いろいろとありますが、とにかく「大人が発行する」大量の法定通貨が市場をゆがめていますね。

参考までに、3月7日に配信したトレーディングカレッジの講義シラバスはこちら。

それにしても、「これはやられた」と思ったのは、共同でコース運営する吉中講師がアップしてくれた講義(2021年3月7日分)でした。

これは投資パフォーマンスを綺麗さっぱり塗り替えてしまうほどのインパクトでした。

「実戦トレーディングカレッジ」(コースの概要と申し込みはこちら)では、市場構造を使った取引方法を中心に投資の本質を学んで頂いています。

取引している市場を決めているプレイヤーが誰なのか?歪みがあるならどこなのか?誰を相手にして取引しているのか?

常に自問しながらブレない取引を固めていきたいですね。

ハッピー・トレーディング!

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