米国のCPI、消費者物価指数6月の結果が前年比で9.1%の上昇と激しさを増していますね。
これを受けて7月FOMCでは、1%の利上げになるのではと市場は身構え。景気の先行指標である長短金利差はマイナス圏にダイブしています。
景気後退は待ったなしですね。
金利とは切り離された住民だった暗号通貨も、今は外部環境に影響を受けやすくなっています。
ビットコインの頭が重たい展開が続くのも、この「長短金利の逆転」が背景(の一つ)にあるのは、間違いないでしょう。
さてCPIを受け、FOMCが1%の一斉利上げをするのではないかとの思惑が市場を走り回り、直後は利上げ観測が急騰しました。
が、足元では、早くも利上げ予測が縮小を始めています。
一番下の「250-275」という欄が現在の利上げ確率。
7月13日には8割を超えていた折り込みが、足元では4割にまで下落しています。何があった?
この急落、おそらくはミシガン大学のインフレ調査結果によるものでしょう。
前回のFOMCでは利上げのコンセンサスが0.5%に対し、結果は0.75%の利上げ。
このときの背景にあったのが、ミシガン大の消費者センチメント結果でした。
ということで、ミシガン大のサイトから最新の指標とコメントを抜き出してみます。
The final June reading of the median expected year-ahead inflation rate was 5.3%, little changed from mid-month or the preceding four months. In contrast, long run expectations receded from its mid-month reading of 3.3% and settled at 3.1%, back within the 2.9-3.1% range seen in the past 10 months.
University of Michigan
以下は翻訳です。
6月の消費者期待インフレ率は、最終地で5.3%。6月中間値と過去4ヶ月平均からほぼ変化なし。
一方で長期のインフレ期待値は6月中旬の3.3%から下落し、3.1%で着地。
過去10ヶ月に見られていた 2.9-3.1% の範囲内に戻ることとなった。
以上です。
世間が1%利上げで大騒ぎになる一方、客観的なデータは異なる絵を見せています。
物事の判断に必要なデータの選び方も、かつてないほど大切になっていますね。
なお、ミシガン大のセンチメント調査は、実は2度美味しい使い方があったりします。
このあたり、実戦トレーディングカレッジにて詳しく講義しています。
ぜひご活用いただけましたら、幸いです。
それでは、ハッピートレーディング!
<追記とお詫び>
すみません、ミシガン大学のコメントを翻訳する際に、ブラウザのキャッシュが6月のデータを拾っていました。最新の7月コメントは以下のとおりです。
↓ 最新7月版
The median expected year-ahead inflation rate was 5.2%, little changed from the past five months. Median long run expectations fell to 2.8%, just below the 2.9-3.1% range seen in the preceding 11 months.
7月の1年先インフレ期待地は5.2%で、過去5ヶ月とほぼ変わらず。
中期から長期のインフレ期待地は2.8%へと下落し、過去11ヶ月に見られていた2.9 ~ 3.1%のレンジ内に収束した。
以上、参考にしてみてくださいませ。
ハッピー・トレーディング!