ビットコインの思想に共感する人は、どのような特徴をもっているのでしょうか?
一つのヒントは人類の脳に埋め込まれた共感システムにあるかもしれません。
心理学では、「現在経験していることや感情に近いものほど、人は共感しやすい」ことが実証をされています。
たとえば2011年にNordgren氏が行った実験が興味深いです。これは参加者を3つのグループに分けて行われました。
Aグループ: 氷水に手を浸す
Bグループ: 常温の水に手を浸す
Cグループ: 氷水に手を浸すが、その後10分間別の課題をする
その後、実験参加者にシベリア拘留者の話を読ませ、拘留者にどの程度共感するかを測定しました。
結果、A「氷水に手を浸す」グループのみが高い共感を示したことが確認されたそうです。
ここから得られた結論は、「現在経験していることや感情に近いものほど、人は共感しやすい」ということであり、あわせて「過去に経験したつらい経験は、喉元過ぎれば熱さを忘れるで共感しなくなる」ということでした。
(認知バイアス辞典~フォレスト出版より)
ここでビットコインの思想に共感する人の話にもどりましょう。まずビットコインの美点と思われることを挙げてみます。
もちろん「値上がり期待があるから」が最大派閥になるでしょう。ですが値段が上がるならビットコインでなくても良いわけですから、この選択肢は外しておきます。
その上でまとめると、以下のようなポイントに集約されると思われます。
ビットコインの美点(値上がり可能性を除く)
- 中央集権の介入がない
- 発行上限が固定されている
- 履歴の改ざんができない
- ネットがあれば誰でも使える
ではここで、真逆を想定してみます。
先ほどの心理特性である「現在経験していることや感情に近いものほど、人は共感しやすい」を思い出してみましょう。
すると、ビットコインに最大の共感を寄せうるのは、右側の「真逆の状況」を今現在経験している人となることが分かります。
これをまさに地で行くことが、今現在起こり始めています。
物価が毎年2倍以上に高騰するインフレ大国のアルゼンチンで、ビットコイン支持の大統領候補が決選投票へと進むことになったのです。
ビットコイン支持の大統領候補がアルゼンチン決選投票に進む
ビットコイン(BTCUSD)推進派の大統領候補ハビエル・ミレイ氏は、アルゼンチンの大統領選で首位争いを繰り広げ、現経済相との決選投票へと進むことになりました。
経済改革を訴えるミレイ候補は、政治経験の乏しい候補ながらも31%の支持を集め、11月19日の決選でマッサ経済相と激突する見込みです。
https://bitcoinmagazine.com/culture/argentina-bitcoin-president-javier-milei-run-off-election
アルゼンチンのインフレ寄りな歴史の礎は、1946年に就任したペロン大統領のもとで育まれました。
以下は、”2050年の世界”でヘイミッシュ・マクレイが述べた同国への評価です。
「アルゼンチンは19世紀末には世界屈指の豊かな国だったが、その後に混沌とした中所得国に転落して、デフォルトを繰り返している。これは全ての国にとって救いようのない警告となる。アルゼンチンには勤勉で有能な人がたくさんいることを考えると、なおさら気が滅入る。」
有能な人、豊富な資源、豊かな農業があっても、政治の失策は国をダメにしてしまう事例ですね。
ではここで、アルゼンチンの現状とビットコインの美点を比べてみましょう。
最後の「72%が銀行口座を保有」とありますが、預けた通貨はその瞬間から年速138%で減価していきます。誰か使うのでしょうか?
ちなみに下はYahooFinanceで表示したアルゼンチンペソの対ドル相場です。どうしたものですかね。
さて、上の表を見れば、アルゼンチンに住んでいる人たちが「現在経験している」痛みの反対側にビットコインがあることが見て取れます。
ビットコインによる改革を標榜する大統領が3割を越える支持を集めているのも、こうした地盤があってのことでしょう。
以上はビットコイン研究所さんへの寄稿記事から前半を抜粋してみました。続きを読んでみたい方は、リンクから確認されてみてくださいね。
Vol.232 アルゼンチンから始まるビットコイン国家(2023年10月23日)
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それでは、今週もハッピー・ビットコイン!