税金ではなく「巻き上げたお金」~ビットコインは歴史的な必然

当記事は、ビットコイン研究所さん(こちら)&クリプト通信(こちら)にて毎週配信しているレポートの一部を公開したものです。


税金では無い・・・バイデン大統領が銀行救済策の発表で述べた言葉に「じゃあカネはどこから出てくるんだよ」と思った人もいるとかいないとか。その資金の出所も、元をたどれば「国民から巻き上げたお金」。ビットコインへの需要が高まるばかりの2023年を、少し歴史的な目で確認しておきましょう。

ビットコイン買い&日本の銀行株売り

さて軽く今の市場動向だけ振り返っておきましょう。下のチャートはFEDが銀行救済資金の提供を発表したときのビットコインの動きです。

事実上のQE再開であるプログラムを見た市場は、「無国籍通貨のビットコイン&ゴールド買い VS 日本の銀行株売り」で反応をしています。

無国籍通貨のビットコイン&ゴールド買い VS 日本の銀行株売り

それにしても興味深いのは、FED発表のジャスト5時間前にビットコインは上昇で反応をしている点でしょうか。

インサイダーなのか偶然か。そんなことを相場に聞くのも野暮な話。ビットコインが上がるのに文句を言う必要もないでしょう。

さて無国籍通貨のビットコインと対照的だったのは、日本の銀行株でしょうか。2023年3月13日月曜日の国内株価下落幅ランキング上位50銘柄うち18銘柄に銀行株(&かんぽ生命)がランクイン。

↑ 日本の銀行株は下落(株探データをお借りしました)
3月13日・FEDが銀行救済を決めた後も 日本の銀行株は下落(数字は前日比)

米国の銀行が救済されるなら日本の銀行株も上がりそうなものですが、市場はシビアですね。

個人的にずーっと気になっているのは、やはり農林中金です。同社公開の2022年4月~12月の3四半期決算では、純利益1,600億円に対して、債権を含めた有価証券の評価損が約2兆円(四捨五入)となっています。

農林中金ホームページより2022年12月末業績ー有価証券で2兆円の評価損
農林中金ホームページより2022年12月末業績ー有価証券で2兆円の評価損
https://www.nochubank.or.jp/ir/pdf/cap_results34_03_01.pdf

にちょうえん??

ところで企業会計基準では、満期まで保有する予定の債権は、額面金額で計上することになっています。

つまり金利上昇で債券価格がドン下げしていても、満期満額で計上してOKであり、そこに含み損は出てきません(満期まで持つんだから含み損もないでしょ?=おっしゃるとおり)。

満期保有債券の割合がどの程度かは分かりませんが、資金がショートすれば(今回のSVBと同じように)満期を待たず売却せざるを得なくなります。現実的には、評価損はさらに大きいと言えるのかもしれません。

もちろん、これは筆者の推測。ですが日本の銀行株が下落しているのを見ると、市場はたっぷりと外債を保有する日本の銀行株に、危険を感じているようにも感じられます。あくまで本日現在の話ですが。

事実上のQE再開

さて、ここからはFEDが発表した資金提供プログラムの内容を確認しておきましょう。以下が公表された内容です。

Bank Term Funding Program

2023年3月12日にFEDが公開した資金提供プログラム
2023年3月12日にFEDが公開した資金提供プログラム

ハイライトした部分が個人的に「え?」となったポイントです。

以下簡単にまとめてみます。

  • 銀行保有資産うち、FEDの公開買付対象分を担保として差し入れできる
  • 資産評価は「パー・バリュー」で評価される
  • このプログラムは無料で参加できる
  • 資金は為替安定資金から拠出される
  • FRBには25Billionドル分の信用保護が提供される

「パー・バリュー」とは「額面価値」であり、銀行が保有している債券価格がドン下げしていても、下げる前の価格で担保価値が評価されるということ。

つまり債権の評価損で銀行のクビが回らなくなっていたとしても、その債権を担保として差し出せば、満額評価されて同額が銀行に貸し出されるということです。(貸出金利は現状で年利4.6%程度と推察されます)

そう、引出が殺到しても保有債券を損切りせずに済む!!

銀行の手元に現金が無くても、債権を預ければFEDがお金を満額で貸してくれる!!

貸し出しコストは0!!!借りて調達した現金を、さらに高金利で消費者に貸し出せば利ざや稼げる!!!

事実上のQE再開キタ!フリーマネー最高!!

いやぁ、あらためて何をやっても救われる銀行って、最高っすね。

さて今回の資金提供プログラム。バイデン大統領の言葉を借りれば「血税は使わない」とあります。

This is not funds from the taxpayer.

そうでしょうとも。ここで税金を投入したら、来年2024年の選挙結果は見えてますね。

ガソリン代で票を買おうにも、原油の戦略在庫(SPR)放出も限界。ここで下手な手は打てません。

でも無い袖は振れないっしょ?そこで出てきたのが Exchange Stabilization Fund為替安定資金です。定義はこちら

これを見てギョッとしました。ついにビットコインの出番!その背景を少しだけ説明させてください。


以上、”ビットコイン研究所レポート Vol.199(2023年3月13日)税金ではなく「巻き上げたお金」~ビットコインは歴史的な必然” から一部を公開してお送りいたしました。

続編は、ビットコイン研究所さん(こちら)&クリプト通信(こちら)にて配信しています。ご興味ありましたら、またそちらも覗いてみてください。

引き続き、ハッピー・ビットコイン!

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