ビットコイン週刊フォーキャスト（2025年9月24日）から前半を無料公開でお送りします！

前回のレポート(Vol.37)振り返り

• 現状: ビットコインは116,000ドル近辺、FOMC前の様子見ムードで調整気味
• 短期リスク: 7月・8月と続く「月中旬失速」パターンの再現懸念
• ポジション状況: 大口投資家は111,000ドルから買い、短期筋は115,000ドル背景に売り
• 下値サポート: 112,000ドル、110,000〜105,000ドルに厚い支持帯、110,000ドル以下は買い場視する声も
• 基礎体力: ハッシュレート史上最高値更新、先物曲線は先高感を示す
• マクロ環境: 米株バリュエーション過去最高も、法定通貨制度の根本変化が進行中
• 投資戦略: レバレッジポジションは一部利確を検討、現物資産は長期保有継続が合理的
• 買い場戦略: 110,000ドル割れは積極的な買い増しタイミングとの見方は合理的

2025年9月17日以降 ビットコイン関連市場動向

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9月17日

FRB25bp利下げ断行：金利4.5%→4.25%、BTC即座に$116,000突破 

SEC、汎用上場基準承認により仮想通貨ETF承認プロセスが240日→75日に短縮。

9月21日

Metaplanet過去最大購入で市場構造変化：5,419 BTC（$632.5M）取得で企業保有量ランキング5位に浮上。

9月22日

大手マーケットメーカーWintermute経由の大口送金が引き金となり、レバレッジポジション$600M超が一掃される典型的な「欲張りロングの投げ」が発生

ビットコイン週刊フォーキャスト：FOMC後の調整局面と半減期アノマリーの真実

FOMC通過後も続く下落圧力

ビットコインは、FOMC（連邦公開市場委員会の略称で、米国の金融政策を決定する機関）を通過した後も軟調な動きを続けています。

前回のレポートで指摘した月次後半にかけての下落パターンは、9月も再び現実となりました。具体的には9月19日以降、ビットコインは116,000ドルから112,000ドルを割り込む水準まで下落しています。

興味深いのは、ダウ30もナスダック100指数も更なる高値を追っている状況です。株式市場が好調な中で、ビットコインとイーサリアムだけが下落している現象をどう解釈すべきでしょうか。

ゴールドとの明暗が物語るもの

さらに注目すべきは、ゴールドが連日最高値を突破している事実です。

ハードマネーの代表格であるゴールドが上昇する中、ビットコインが停滞している状況は確かに違和感があります。絶対的な答えがあるわけではありません。しかし、筆者の仮説として、市場参加者の間で共有されている「半減期リズム」への反応があると考えています。

半減期アノマリーの呪縛

過去のレポートで何度も検証していますが、直近2回の半減期では興味深いパターンが見られます。半減期発生後1.5年間はビットコインが上昇の恩恵を受け、それ以降は下落するというサイクルです。

2024年の半減期は4月19日に発生しました。このパターンが再現されるなら、2025年10月19日までが上昇相場となります。そしてその後はしばらく下落が続くことになるでしょう。

月次リターンと同様、過去のパターンは参加者に強く認識されるものです。

おそらく多くの市場参加者が「10月19日以降は下落」と想定し、その1カ月前の9月19日頃にGoogleカレンダーにアラームを設定していたのではないでしょうか。筆者も同様のことをしていましたから、なんとなく共感します。

「2.5回目」の教訓

ここで重要な考え方があります。市場の共通見解が「半減期1.5年で上昇相場終了」となるなら、逆にその現象は起きないと考える視点です。

吉中講師のコメントに「2.5回目でドテン」という言葉があります。これは原油などのレンジ取引で上下を2.5回取ったら止めにしないと、3回目を狙うとレンジ取引自体が崩壊し、逆に持っていかれるリスクが高いという教えです。

これは相場の本質を表しています。市場参加者全員が織り込んでしまった情報は、既に情報としての価値を失います。その逆を行く方が期待値として大きくなるという特性を持つのが相場の特徴です。

ビットコインのみが低迷しているのは、この半減期1.5年の法則を市場参加者が強く認識しているからに他ならないですが、その信念が強くなるほど逆に市場はその通りに動かなくなっていく可能性があります。

貴金属市場が示すヒント

この仮説は貴金属市場を見ると理解できます。連日新高値を更新しているゴールドもそうですが、「貧者のゴールド」と呼ばれるシルバーも40ドルを突破してから戻りもつけず45ドルへ到達しています。

ゴールドの上昇が著しく続くと踏んだ参加者は、できるだけ後から追随する銘柄を狙おうという心理が働きます。これがシルバーを押し上げている理由とも言えるのではないでしょうか。

このような動きを見る限り、「ビットコインよりもゴールド、ゴールドがもう遅いならシルバー」という市場の心理を垣間見ることができます。

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