日本の10年金利が2016年2月以降の最高レートを突破しました。日本の金利上昇で何が変わるのか、3つのシナリオを書いてみます。
10月3日、米国のADP雇用統計が予想に対して24%の上振れ。これを受け米国10年金利は、後ろ髪を惹かれるように彷徨っていた3.0%から決別し、力強く3.186%まで(2018年10月4日現在)上昇しています。
一方で石にかじりつくような低金利を継続してきた日本ですが、さすがに10年金利も反応し上昇を始めています。下は日本と米国との10年金利を並べて比較したもの。
細いバーチャートが米国10年金利、ローソク足が日本10年金利です。
0金利に突入した2016年以降、米金利に引きずられないよう踏ん張っていた関門、0.139が突破され0.154まで上昇していることがわかります。
この無茶苦茶に開いた日米の金利差から出てくるシナリオは3つ。
① ドル円の上昇が止まらなくなる
② 日本10年金利の上昇が止まらなくなる
③ ①も②も起こらず低金利ジャパンが継続する
どれになるかは分かりませんし、③なら今までと変わらずです。
ただ、現実的に0.139%を突破した10年金利。これは住宅ローンの基準として使われていますから、以後、ローン金利の上昇が始まる可能性は高まりました。
さらに円安は止まる気配なし、原油価格は高騰(WTIは$76突破)。つまり輸入資材コストは時間差をもって上昇することになります。
以下のチャートは、コモディティ価格の総合指標、CRB指数と円ドルを並べたものです。
ローソクがCRBコモディティ指数、赤線が円ドル、下のインジケーターは相関係数です。
2017年の中盤ころまでは、コモディティ価格が上昇すれば円も上昇し、輸入物価の上昇はある程度緩和をされてきていました。
ただ、2018年に入ってからは、その緩和が効かなくなってきていることが分かります。
10月3日に始まった日本10年金利上昇、これこそ私達に「今すぐ次に取るべきアクションを考えろ」と叫んでいるように見えて仕方ないです。
先日、広瀬隆雄さんのTwitterで以下のコメントがありました。
あのさ、嫌われついでに言わしてもらうと、今の日本って、アヘン戦争でボコボコに凹まされる前の中国みたいに危機感が欠如しているゾ。そんでもってプライドだけは高い。世界は日本を必要としていないんだよ(笑)
— 広瀬隆雄 (@hirosetakao) 2018年9月24日
今の日本にも頭脳明晰な切れ者や、スマートで天才的なひとは、沢山います。
逆張り的に考えるなら、「準備」をしている人には多大すぎるチャンスが降って湧いてくる。
そんなタイミングが目の前に来ているのかもしれません。
現場からは以上です。