ポンド円は実際に取引されている通貨ペアではなく、メジャー通貨のGBP/USD × USD/JPY (ポンドドル × ドル円)で算出される「掛け算ペア」であると別記事で述べました。
では実在しないペアにテクニカル分析は当てはまるのでしょうか?
ポンドドルとドル円は取引規模が大きいので相場参加者がテクニカルポイントを意識して売買することが理解できますが、その二つを掛け合わせてできたポンド円はテクニカル分析と無縁であると考えても、不自然ではありません。
ところが実際のポンド円相場では、テクニカル分析が当てはまってしまうのです。下の図はポンド円の日足チャートにフィボナッチ・リトレースメントを当てはめ、エクステンションのターゲットがヒットした事例です。
実在しないペアでもテクニカルが当てはまるのは相場の不思議としか言いようがないのですが、現実としてポンド円でもテクニカルが使えることが見ていただけると思います。
ところでこのポンド円、欧米のプロトレーダー達は値動きの大きな「投機ペア」として位置づけ、「BEAST(野獣)」の俗称で呼ばれることもあります。
一日に500pip動くこともザラなポンド円は値動きが荒い分、ストップの幅を多めにとるような対応が必要になるだけでなく、掛け算の基であるポンドドルとドル円、両者の動きをフォローする必要があるため、相場に翻弄される可能性が高いペアであるといえます。
それでも、値動き幅が小さいロンドン時間以外にトレードせざるを得ない場合は、ポンド円のようにボラティリティーの大きいペアを使う場合もあります。このあたりは、トレーダーの生活様式によって選択することなので、何か正解があるわけではありませんが、ボラティリティーの大きなポンド円でも、基本的なテクニカルの指標が使えることを知っておくことで、トレードの選択肢を増やすことができます。
今回もとても勉強になる記事ありがとうございます。
自分もこのBlogを記事を見るまでクロス円しか見ていませんでした。
理由はやはり見やすいからですσ(^_^;)
しかし、スプレッドや計算ペアの値動きの関係などリスクを考えると、クロス円はチャートからなくなりました。
どこで調べてもわからない、教えてくれない貴重な情報をいつも提供していただきありがとうございます。
次回の更新も楽しみにしております。