ATRとは、[Average True Range]つまり[真の値幅平均]というもので、各ローソクが持つエネルギーの平均値を取っていくものです。知っておくだけでも価値が高いインジケーターなので、少し説明をしてみます。
真の値幅とは?
ローソク足の最大値幅は、ハイからロウの間で決まります。つまりヒゲ上端から下端までの距離ですね。たとえば下のイラストはポンド円4時間足ですが、ヒゲの上下端差が[98.9]pipあります。
[images style=”1″ image=”http%3A%2F%2Fwww.cocosta.jp%2Fwp-content%2Fuploads%2F2014%2F10%2F962b22abf5cd5ad6faf3d799a2a54ec2.png” width=”273″ align=”center” top_margin=”0″ full_width=”Y”]ところが、この情報だけだと前のローソクとの関係がわかりません。2本のローソク足の間が連続しない、つまりギャップが開いてしまった場合には、参加者の感情が数値に反映されないことになります。
解決方法は簡単で、1本のローソクで値幅を計測する代わりに、一つ手前のローソク終値を基準値として値幅を拾ってやるのです。
[images style=”1″ image=”http%3A%2F%2Fwww.cocosta.jp%2Fwp-content%2Fuploads%2F2014%2F10%2Ff3bcbe545e8cf2dd8c16bbb70354f745.png” width=”313″ align=”center” top_margin=”0″ full_width=”Y”]すると、値幅が[184.2]pipと8割以上も増加しました。pip数にして[85.3]のエネルギーは否定しようのないギャップを作り、市場に強いメッセージを放ちました。
なぜギャップは発生するのか?
ギャップは売り手と買い手のミスマッチが起こる時に発生します。先のポンド円チャートで売り手の声を代表すると、こんなところでしょうか。
「もうポンド円なんて持っていられない。幾らでもいいから、誰か買ってくれ!」
そうして増えた売り手の注文を受けるだけの買い手がいる場所を市場が下に探しに行った結果、値段が飛ばざるを得ずにチャート上にはギャップが残ってしまいます。
つまりギャップは市場センチメントが大きく変化した時に現れるものなのです。
ATRインジケーターとは?
ATRインジケーターが表す値とは、先に説明した「真の値幅」を記録していき、それを一定の期間で平均値を取ったものです。上下幅が決まっているオシレーターではなく、あくまで絶対値の推移を取っていくもので、チャート下部に表示をされます。
開発者は [J. Welles Wilder, Jr.]氏で、もともとは商品先物のチャート分析向けに作成をしたインジケーターです。(→Wiki)
このATRを使ってやると、市場をいろいろな角度から分析することができます。一例としては、、、
- 相場の加速度を計測
- 取引高の推測
- ダマシ除去
etc…
ボリンジャーバンドとのコンビネーション
ATRと同じく相場の「加速度」を計測するツールとしては、ボリンジャーバンドに一日の長があります。
そしてATRのインジケーターを工夫し、ボリンジャーバンドと組み合わせてやると、ダマシを除去したり相場の加速をいち早く正確に捉えることができます。
詳しくは、ボリンジャーバンドFX v2.0で説明していますので、少しでも早く、ダマシのない加速度を活かした取引をしたい方は、参考にしてみてくださいね。
それでは、Happy Trading!!