管理人が米国にいたときに参加した、ロバート・キヨサキ氏開催のセミナーで心をえぐられた例え話があったのでシェアしてみます。
高給をもらっていた男が虫歯になった。歯医者嫌いで痛み止めだけで対処しているうちに症状が進み、業務効率も落ちてミスを頻発するようになった。
会社から業務警告を受けるも病院が嫌で行かない。痛みでイラつき周りにあたりはじめると仲間も離れ、そんな時に業務上の致命的ミスで解雇されてしまう。
新しい職を探すが、歯痛でインタビューでも笑顔が出ず落選ばかり。そのうち失業保険も切れ家賃が払えなくなり、家を追い出され路上生活を始める。そこでも歯が痛くて食べ物も口に入らず栄養失調で目もかすみはじめる。苛立ち道行く人にあたり散らす。。。
が、その時でも虫歯の痛みはそこにいた。
この例え話自体は、「問題の原因を解決しない限り、その問題が自動的に治ることはない」という教訓を伝えセミナーへの参加を促すものだったのですが、時期も時期だったので大きく心に刺さってしまいました。
というのも、その時の私は米国子会社にいて、セールス&マーケティング部から財務部へ異動をさせられた後でした。企業会計など分からないまま、マニュアルと前任者のやり方をまねて業務をこなしつつ、面白さを感じられず半分いじけていた頃です。
そんな頃に虫歯の話を聞いたものですから、このまま会計知識から逃げても、それがゾンビのようにいつまでも付きまとうのではないかと怖くなりました。なぜか?その頃には独立を心に決めていたにもかかわらず、企業会計という会社運営に不可欠な知識から逃げていた自分に気付いてしまったのです。
それから日々の業務をこなしながらも、後ろにある企業会計の仕組みを理解しようと心に決めました。
とはいえ、財務といっても小さな所帯ですから会社のスタッフが事務所のコーヒーフィルターを近所のスーパーで買ってきたと言えば、レシートを貰って6ドルを金庫から出して支払い、それを都度で紙に書いて回転連番を押し、手作業で旧式のパソコンに入力するといった具合です。会計を理解しようと決意をしてなければ、日常業務に流されて終わっていたでしょう。
そうこうするうち、それまでどうしても理解できなかった「繰り延べ項目」が分かるようになっていました。なにかヒラメキがあったというよりも、知らない間に、、、という感じです。会計という全体の大きなパズルの他部分が埋まり、残った穴の形が浮き彫りになったのだと思います。
おかげで、今は顧問の公認会計士と打合せをするにもストレートなやりとりができており、虫歯の話には感謝してもしきれません。
虫歯の話と私の会計経験から言えること
それは「原因を解決する」と決意をした瞬間、その方法はすでにあなたの中にあるということです。
できない理由をみつけるのは簡単です。だけど100の理由を挙げたところで、そこにある問題はどこにも行ってくれません。虫歯を治すなら「歯医者に行く」のです。
治ってしまえば、なぜ早く治療に行かずに我慢をしていたのか、そっちの方が分からなくなります。もっと言えば、虫歯だったことなど忘れてしまいます。
もし、あなたが目を逸らせている問題があるなら、「解決する」と決めてみませんか?それはきっとあなたを成長させてくれる「きっかけ」かもしれません。