ビットコインの取引高ミステリーを解読する

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値動きには取引高が伴う必要がある・・・株式取引で必ず耳にする言葉ですね。ところが最近のビットコインではその常識が当てはまりません。上方にブレークした直近のビットコイン事例を元に、全体像を捉えるために必要な指標を紹介します。


直近でレジスタンスを抜けてきたビットコイン価格は、この1週間ほどで7%ほど値を上げてきました。日本の取引所でも5万円を超えてきているので、来週あたりからニュースや新聞等でも「今回の値上げは本当か?」的な記事も出てくるものと思われます。参考までに直近のチャートです。

bitcoin-break

ちなみにハーモニックを載せてみると、次のターゲットは550USDであり、トライアングルをブレークした場合の到達目安と重なっています。

それはさておき、今回のブレークでは、「取引高」が全く付いてきていません。

TradingVolume

ということは、今回のブレークは偽物なのか?という疑問が出てきますね。

さらに最大のミステリーは中国取引所の取引高です。

OKコインのチャートを見てやると、3月1日から3月31日まで値段は大して動いていないのに取引高だけ突き抜けています。

BTCCNY-OKCOIN

日付を見てみると、キッチリ3月1日から31日までの1ヶ月間だけ増大しているので、何かのキャンペーン等があったのかもしれません。それにしても値段がグイグイ上がり始めた時に取引高が全く「シーン・・・。」という状態はミステリーでしかありません。

見るべき指標はマーケットの全体像

ビットコインと外国為替市場が共通している点として、ともにOTC(Over the Counter・・・相対取引)の市場であることが挙げられます。

決まった取引所を通じて単一の値段が決まるのではなく、バラバラに世界中で同時多発的に起こっている全ての取引が、何らかのヒモで結びついてある程度の値段が生成されている市場であるということです。

以前のように取引所=MtGoxでしかなかった時代とは異なり、世界中に各国通貨をベースにした取引所があり、それらの値段はアービットラージの参加者が頑張って結びつけてくれています。

つまり取引所が公開している取引高を単一の目線で捉えても、おそらく正確な理解にはつながらない可能性があります。

こういう時に何を見れば良いのかといえば、もう暗号通貨(日本では仮想通貨と呼ばれている)市場の全体時価総額の推移を見るに限ります。下の図は、coinmarketcap.comが公開をしている、直近1年間の全体時価総額の推移です。

total market cap

https://coinmarketcap.com/charts/

変則的な動きを見せる取引所の取引高に対して、暗号通貨全体の時価総額は右肩上がりで推移していることが分かります。この中で8割程度のシェアを握るのがビットコインですので、この暗号通貨市場にお金が流れ込んできている限り、ビットコインの時価総額も上がることは自然な流れと考えることもできます。

ちょっと専門的な話になりますが、今年の7月にはマイニングから得られるビットコインの報酬が減る半減期が来ます。前回は半減期が終わってから半年程度の間に100倍を超える値上がりがありました。

ただその値段はMtGoxに引きづられたもので、内部では取引高を水増しするボットがいたりしたので、あまり値段の信用性はありません。

そうした意味で、取引所の分散が進んでいる今回の半減期で値段がどうなるのかは、ビットコインの真価が市場で問われる機会だと言えるでしょう。

 

変化はいつも突然に

ビットコインと創業(?)の時期が近い企業に、日本でも最近有名な「AirBnB」・・・民泊のマッチングサービスがあります。

宿泊施設も何も持たず、マッチングだけで行う事業化が成功するなど、だれが思ったでしょう?

そんな市場心理を分かりやすく視覚化したグラフを紹介していたサイトがありましたので、紹介してみます。

airbnbinterest

ウェブ上で検索されている数をトレンドにするGoogleトレンドで調査をしたものです。

マリオットなどの名だたる一流ホテルが人々の意識をとらえていたさなか、突如AirBnBが2013年から急上昇。今やマリオットを抜き去りトップです・・・。

このグラフ、私には既存のインターバンク市場での通貨別取引高シェアに見えて仕方がありません。

赤色のマリオットが米ドル。黄色のウィンダムがユーロ。そのほかの2つが日本円と英ポンド。そして突如ビットコインが青色で躍り出る・・・というシナリオは、私の妄想だけにとどまらない可能性もあります。

そうなると一気に透明なお金の時代到来かとワクワクしてしまいますね(→過去記事)。

変化の時代にいるのは、なんともエクサイティングです!

 

まとめ

今年は巨大インパクトなニュースが目白押しです。

EU離脱を目指す英国。大統領候補に躍進が止まらないトランプ氏。LME買収後に金相場で覇権を狙う中国。

ユーロ・米国・中国の3大プレイヤーは変化のど真ん中です。

こういう変化の流れが強い時には、これまでの常識を一度捨て去り、0ベースで物事を見ていくほうが、逆に安全なのかもしれませんね。

ハッピー・チェンジング!!

 

追伸:

㋃25日に冒頭動画を追加しました。

 

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