「価格は下がっても0は割らない」
2020年4月20日、私たちの「常識」を素通りするかのようにマイナス価格を叩いたWTI原油市場。
原油を取引したことがない人たちにさえ、忘れることのできない記憶を植え付けたのではないでしょうか?
下のチャートは2020年7月12日現在、WTI原油のスポット価格を追ったものです。
マイナス 40.62 USDを付けた後にリバウンド。
なんと2ヶ月後の6月22日にはプラス側の40.62 USD まで回復をしました。
マイナス価格を付けた理由はシンプルです。
WTI原油先物の精算は現物の受け渡しが伴います。ところがコロナ外出禁止令の影響で誰も原油を使わず需要が蒸発。
一時的に在庫を受け入れるクッシング拠点のタンク容量が払底し、タダでも引き取る場所がない状態に陥ったというものでした。
これ、後から説明するのは簡単です。
ただ、その時点で原油市場に参入していたプレイヤーにとっては、目の前のマイナス価格が「夢か現実か?」を把握することから始める必要があった状態でした。私自身も含めて。
事実、マイナス価格を想定していなかった国内のCFD(差金決済)ブローカーなどは、参照先の先物価格を突如一つ先の限月にスイッチ。大混乱を招いたりもしました。
以下は「原油」と「ダウ価格」とをGoogleTrendで比較したものです。
マイナス価格を付けた4月20日、ダウよりも圧倒的な注目を得ていることが分かります。
その後も高いボラティリティの推移を受けて、インタレストは高く推移をしています。
ではなぜ、原油取引はどうしてこうも人を惹きつけるのでしょうか?単にボラティリティが大きいからというだけなのでしょうか?
「実戦トレーディングカレッジ」内で、その理由を共同講師の吉中氏が単刀直入に説明してくれていますので、一部をシェアさせていただきます。
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「安定と一攫千金」が共存する市場
原油はファンダメンタルズ・内外部の要因・テクニカルが整った「安定」の市場です。
通常これらがバランスされた市場に「一攫千金」はあり得ません。
ところが原油市場には「安定と一攫千金」が共存するのです。
そして新しい参加者は「一攫千金」狙いがほとんど。
だからこそ3月-5月に多くのトレーダーは「生涯退場」のダメージを負う事になりました。
原油市場が多くを惹きつける「魔力」の背景。それは合意を得やすい市場が通常持たない「一攫千金」を可能としているところだと言えるでしょう。
出典:実戦トレーディングカレッジ・CFTCポジションと金利動向(2020年7月12日分)
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改めて深い市場だと再認識をさせていただいたコメントでしたので、こちらでシェアをさせていただきました。
参考になりましたら、幸いです。