「中国は暗号通貨市場に香港経由で戻ってこざるをえない」。アーサー・ヘイズ氏が分析する最新動向を簡単にまとめてみました。
出典:Comeback、Arthur Hayes25 Oct 2022
https://blog.bitmex.com/comeback/
ポイントだけ意訳して紹介をしています。正確な内容は、オリジナルの記事をDeepL等で翻訳してご覧になってみてくださいね。
暗号通貨の革命的なプロダクトは、中国発ですべて起きている。
米国の取引所は、単にあるものを米国市場に向けてオファーしているだけだ。
バイナンスのCZは、人種として中国だがカナダのパスポートを保有している。
楓のマークと優れた技術が、どこの場所にも特定されないスタイルを確立させ、Binanceを中国の規制下でも生き残らせた。
BTCC、Huobi、OKExは、それぞれ代表が収監された期間を経験してる。この期間がBinanceを急速に成長させる機会を与えた。
香港も中国の規制を受けて暗号通貨にフレンドリーではなくなり、先頭集団の会社はシンガポール・ドバイ・バハマへと拠点を移動した。徐々に香港は暗号通貨の市場を失い、そして香港は零コロナ政策で転落するように落ちていった。
ところが香港は、暗号通貨に戻ってもらおうとしている。
https://cointelegraph.com/news/not-like-china-hong-kong-reportedly-wants-to-legalize-crypto-trading
だから何?という反応も、もっともだ。だが香港は中国が世界と折衝する代理店の役割を持っている。これは中国が暗号通貨での圧倒的な立場を再度取り込もうとする動きの予兆か?
2013-2015年、弱気な暗号通貨への核爆弾は、中国が持ち込んだ2015年8月の通貨切り下げで起きた。ビットコインは、そして200ドルからあっという間に600ドルへと上昇した。
中国は暗号通貨市場にもどってくるのだろうか?ゆっくりかもしれないが、その可能性を書いてみたい。
中略
香港のリーダーは、北京のリーダーがしろといったことをする。すべての政策は、特に中国本土から異なるものは、事前に許認可を得る必要がある。
香港がゼロコロナ政策を熱心に実行した時、このことを確認した。しかし香港は暗号通貨への立ち位置を変えようとしている。つまりこれは北京がもう少し(暗号通貨の規制に関しては)西側に仲良くしようとしているように見える。
中略
最近の香港セブンスラグビーチケット販売解禁などをみると、中国政府は香港の政治的な曖昧さよりも、シンガポールを脅威として見ていることがうかがえる。
また最近では香港へのビザ申請も、規制を減らし容易さを増している。
最近、香港の暗号通貨政策に明らかな変化が起きようとしている。中国本土では個人が暗号通貨を取引できないが、最近のメディア記事は、香港の証券先物委員会が、暗号通貨の売買を個人へ許可する方向に動いていることを匂わせている。
(ココから長いので意訳)
中国は大量の物資を売却することでUSDを獲得しているが、このUSD保有を減らすための米国債購入を行っていない。結果として22年1月ー8月で 657 Billion USDのドル持ち残高を増やしてしまっている。
米国債を購入してしまうと、有事の際に凍結をされてしまうことがロシア・ウクライナ事件で明らかになったからだ。
では(香港という)中国本土の外に積み上がったトラック何台分ものドルを何に使えるだろう?
一つは国民のGDPへ還流させることだが、これは政治の力を弱める選択であり、考えづらい。それよりも、すでに中国本土の外にあるというドルの特性を活かし、それを暗号通貨の購入に当てるほうが、資金流出を伴わない点でも理にかなっている。
香港は、中国本土の政治体制に影響を与えず、暗号通貨の資本市場を実験できる安全な場所という位置づけにある。
ArthurHayes氏としては、強い市場に戻ってきてもらいたい。中国は暗号通貨市場から立ち去ってはいない。ただ鈍っているだけだ。今の地政学状況は、中国に保有ドルで何かする決定を強いる状況にある。
香港の位置づけを暗号通貨フレンドリーにシフトすることは、本土の経済を不安定化させること無く北京の保有ドルを減少させる戦略と利害が一致する。
もしそのフローが実現したとしたら、メジャー国家の中銀がイールドカーブ・コントロールに熱中する間に、香港で個人がビットコインを買いまくり、2つが重なり合って暗号通貨上昇の強い柱となることだろう。
以上はアーサー・ヘイズ氏が分析する最新動向からでした。
ちょっと補足をしておくと、中国は6月まで怒涛の勢いで米国債の持ち高を減らしてきていました。
ロシア・ウクライナでの米国債凍結を目の当たりにして、台湾侵攻時に資金をロックされるリスクを削るためでしょうね。
ところが、7月と8月に限っては、持ち高を減らしていません。介入の資金を準備している日本の方が米国債を売りまくっている状況です。
確かにアーサー・ヘイズ氏の言うように、行き場のなくなっているドルを米帝国の支配圏の外側ににがしたいという意図は、暗号通貨を選択肢に引き上げるかもしれませんね。
もし台湾を併合して半導体を独り占めすることになったとしても、その時に欧米勢が制裁で買い控える展開となるなら、別の資金調達方法も必要でしょう。
ですが仮に台湾でASIC(マイニング機械)を作って仮に買い手が(制裁で)なかったとしても、中国の寒冷地でマイニングすればビットコインという外貨を獲得出来ますからね。
この先どうなるのか、楽しみですね。
以下の講義動画も、あわせて公開をしておきます。ご興味ある方はぜひ。
最新講義を公開:いよいよ中国がビットコインを買いにくるか?アーサー・ヘイズ氏の最新記事(2022年10月26日のクリプト通信から)
以上です。
引き続き、ハッピー・トレーディング!