イーサリアム・マージでの取引戦略など、BitMex創業者Arthur Hayes(アーサー・ヘイズ)氏が書いてくれています。こちらの一部を意訳しツイートしましたので、まとめておきたいと思います。
1/ イーサリアムを市場はどう見ているか?
暗号通貨の信用が逆回転して下げたあと、ETHはBTCより50%ほど強く推移している。
これは市場が、ETHマージの成功が確実になってきていると信じているからだと思う、とArthur Hayes氏は言います。
2/ 逆ザヤになっているデリバティブ市場
イーサリアムの先物価格は、現物価格よりも安いバックワーデーション(逆ザヤ)。 市場は、つまり先物の期日までETHの現物価格が ”今” よりも安く推移することを想定していることになる。
3/ 先物が売り込まれている理由は?その①
ETHの先物が現物より売り込まれているのは、”現物を買っているもののマージ成功は半信半疑。
だから先物を売ってヘッジしようとしている”ことが理由。
4/ 先物が売り込まれている理由は?その②
現物保有者が得られるであろう分岐コインを無料取得するため、先物で同額ショートを建てている。
もし現物と先物の差額が得られた分岐コインの売却代金より小さければ勝ち。
5/ どのようなETH取引をすべきか?その①:現物
もっともシンプルなのは、”汚れた法定通貨を売ってイーサを買う”。
もしくは”暗号通貨ポートフォリオでのイーサ保有率を上げる” 。
6/ どのようなETH取引をすべきか?その②:Lido ファイナンスLDO買い
ETHのマージ成功に、より大きなリスクをかけるのであれば、これは有意義な選択肢の一つだ。
もちろん現物のETHを保有するよりもリスクは高い。
7/ どのようなETH取引をすべきか?その③:ETH先物をロング
もしレバレッジ高めで取引から高い利益を出したいなら、ETH先物をロングするのは、よい選択の一つだ。
特に23年12月の先物は最安だとArthur Hayes氏は言います。
※ 注:おそらくArthurは22年12月と書くつもりだったと思われます
8/ どのようなETH取引をすべきか?その④:ETHコールオプションの買い
レバ高めで取引したいが先物のように強制精算されたくない場合は、コールオプション買いが良い戦略と言える。今の9月と12月先物のインプライド・ボラティリティは、リアライズド・ボラティリティを下回っている。
いまは現物ヘッジャーのコール売りを引き受けたディーラーが大量コール買いのポジションを減らそうとしているため流動性が高い。
このあたりが分かりづらい場合は、単に現物保有が吉。
9/ 12月のETH先物を買って9月先物を売る
先物曲線のスティープニング化にかける戦略。
マージ後に逆ザヤが解消するなら、先物曲線はスティープニングするから。
これも、分かりづらい場合は、単に現物保有が吉。
10/ 出典はこちら
以上はArthur Hayes氏の最新ブログ記事から、一部を抜き出して意訳してみました。ソースはこちら。
ETH-flexive Arthur Hayes16 Aug 2022
https://blo.bitmex.com/eth-flexive/
さてここから先は、少し自分の見解など書いておきますね(続く)
11/ ETHBTCの上昇はBTCUSDが上昇してこそ成り立つ
ETHがBTCより上昇率が高い、つまりETHBTCが上昇できるのは、”ビットコインが下がっていない” という条件が付く可能性ありです。
なによりETHのマージ話題が出始めたの、ビットコインが底入れしてからでしたね。
12/ ETHマージが起きる時期とPOS移行後のイーサ評価は?
先物の市場参加者は、どうも以下を前提に実弾を配置している感があります。
○ 9月のマージ成功 を信じていない
○ POS移行後のイーサがBTCより価値を維持できると思っていない
《お知らせと宣伝》
ETHのマージ後評価を先物曲線から明らかにする方法など、クリプト通信の Vol.256号(2022年8月17日)で配信しました。
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