ゴールド裏付け通貨は砂上の楼閣

BRICSの新通貨構想がゴールドを価値の裏付けとして使うとして、話題になっているようですね。この試みは成功するのでしょうか?少し辛口な筆者の考えも紹介しつつ、ビットコイン研究所さんへの寄稿記事をシェアしてみたいと思います。

BRICS共通通貨構想って何?

そもそもBRICS通貨構想の詳細をまとめた資料がない時点で無理ゲーな感じがしますが、まず簡単に情報を整理しておきましょう。

BRICSの金担保共通通貨は、ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカの5か国が共同で発行する、金で担保された共通通貨のことです。

この通貨は、ドルやユーロ(EURUSD)などの主要通貨に依存しない、BRICS諸国のための新たな金融システムを構築することを目的とし、貿易や投資にも使用される予定だとか。

2014年に初めて提唱されたアイディアは、2023年のBRICS外相会議で実現に向けた研究を加速することが決議されました。提唱されてから特に何の進展もなかったようですが、ここにきて急遽空気が入っているようですね。

端的に言えば、米ドル一強のままだと加盟国同士の貿易コストも下がらないし、米国に資金凍結されるリスク残るし、だったら新しい通貨を作り、なんならゴールドを価値の裏付けと歌うことで脱ドルしたい資金も取り込んじゃいましょう・・・という狙いですね。

ゴールドを価値の裏付けにした通貨は成立しない

これはBRICS共通通貨に限ったことではないのですが、「ゴールドを価値の裏付けにした○○通貨」を人類が運営することは、歴史的に不可能と立証されています。

もともと米ドル自体がゴールドとの等価交換を前提にスタートしており、それがニクソン大統領の時代に「維持できないから止めました」で今の管理通貨制度へとつながっています。ドルに限らず、我らが円も最初はゴールドとの等価交換を保証された通貨だったのですから、推して知るべしです。

すごく単純な話なのですが、ゴールドを価値の裏付けにするためには、通貨の管理者が必要です。その管理者は、通貨の発行量が増えた分だけ裏付けとして保有するゴールドの量を増やすことを求められます

ですが管理者とて人間のあつまりです。保有するゴールド量はそのままに、通貨の発行量だけ増やせば、自分たちの財産を0コストで殖やすことができるのです。いわゆる「通貨発行益」ですね。

この通貨発行益を使える立場にいながら中立を維持出来るほど、人間は強くありません。そんな通貨発行者が信頼をかき集めるためには、通貨発行益を勝手に使っていないことを常に証明し続ける必要があります。

たとえば管理者が保有しているゴールドの量がグラム単位で正しく保管され続けていることを証明する必要があります。また保有しているゴールドが本物であり、メッキ加工したニッケルでないことを誰かが証明する必要もあります。

嘘をついていないことを証明し続けるにも、結構なコストがかかるのです。

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以上はビットコイン研究所さんへの寄稿記事から前半を抜粋してみました。続きを読んでみたい方は、以下のリンクから確認されてみてくださいね。

Vol.225 ゴールド裏付け通貨は砂上の楼閣~BRICS通貨を考察(2023年9月11日)

それでは、今週もハッピー・ビットコイン!

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