『投資は自分との対話から始まる』~お金が残る人に共通する、シンプルな原則~

「相場は上がりますか?」

この質問に対し、ある投資のプロは必ずこう答えるそうです。 「分かりません。でも、自分のことならコントロールできます」

この言葉の背後には、四半世紀にわたる市場との対話から得られた、深い洞察が隠されています。値動きやチャートよりも大切なもの。投資の成功に必要な、意外にもシンプルな原則とは?

マーケットの最前線で25年以上、数多くの相場を見てきたプロフェッショナルが語る、投資成功の本質に迫ります。

投資の本質と自己管理 – 特別講義からの書き起こし(2024年11月9日)

今日は、最近のマーケットの動きを振り返りながら、とても重要なメッセージをお伝えしたいと思います。

まず、今週の大きな出来事として、アメリカ大統領選がありました。週の前半はサイドウェイ(横ばい)の動きが続いていましたが、結果としてトランプ氏の勝利という形になりました。

特に注目すべきは、激戦区と呼ばれる7州の動向でした。東部や中央部の州、特にペンシルベニア州などで開票が遅れることは予想されていたものの、私の予想以上に早い決着がついた印象です。

その後のマーケットの動きとしては、いわゆる「トランプトレード」が一区切りついた後も、さらなる上昇や下落が見られました。

ただ、今日私が最も皆さんにお伝えしたいのは、こういった市場の動きそのものではありません。

むしろ、これからの不確実な時代を生き抜くために、最も重要なことについてです。

結論から申し上げると、『自分の財務状態とキャッシュフローが分からなければ、絶対にお金は残らない』というのが私の強い確信です。

政治や市場の不透明感は当たり前のことで、それに過度な期待や責任転嫁をするのは危険です。

よく「失われた20年、30年」という言葉を耳にしますが、私はこの表現を使いたくないんです。

なぜかというと、これは「失われた」のではなく、私たちが「失った」のです

他人に責任を押し付けるのではなく、自分でコントロールできることに焦点を当てるべきなんです。

私は今年で50歳になりますが、25年以上この業界にいて痛感していることがあります。それは、稼いだお金を適切に運用できている人は極めて少ないということです。

誰かに「相場は上がりますか?」と聞かれても、私はいつも「分かりません」と答えます。でも、その後には必ず「でも、自分のことならコントロールできます」と付け加えるんです。

自分の財務諸表を理解するということ。これは、何を持っていて、何を得て、今それがどう育っているのかを教えてくれるものです。世界がどう変わっても、相場がどう動いても、この重要性は変わりません。

投資の世界に100%確実なものは存在しないと思っています。でも、唯一確実に言えることは、自分の財務諸表をコントロールする力は、今も昔も変わらず重要だということです。

だからこそ私は、個人投資家の皆さんのために、財務諸表を投資というフィルターを通して見るための、シンプルでありながら実用的なフォーマットを作ることに取り組んでいます。

非常にシンプルですが、奥が深い。そんなツールを皆さんと共有できればと考えています。

まとめ

今回の講義で講師が伝えたかったことは、「株価がどう動くか」「政治がどうなるか」といった、自分ではコントロールできない外部の要因に一喜一憂するのではなく、まずは自分の「お金の健康状態」をしっかり把握し、管理できるようになることが大切だということです。

つまり、「財務諸表が読める」というのは、「自分のお金の出入りと状態を正確に理解できる」ということ。そして、それができない限り、いくら投資で儲かっても、最終的にはそのお金は手元に残らない、という警告でもあるわけです。

専門用語で言うと「財務諸表」ですが、要は「自分のお金に関する総合的な健康診断書」のようなものと考えると分かりやすいかもしれませんね。

以上、最後までお読みいただき、ありがとうございました!

※本記事は、ココスタのトレーディングカレッジ(こちら)で配信された吉中氏のコメンタリー動画(2024年11月9日配信分)から書き起こしたものです。投資の本質を考える上で重要な内容と考え、許可を得て公開させていただきました。

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