ビットコイン半減期下落サイクルは今回消失するのか?
「半減期の1.5年後に必ず暴落する」という法則をご存知でしょうか?
過去2回、この法則通りにビットコインは下落しました。だから今回も同じ…と考える人が多いのですが、ちょっと待ってください。
今回は決定的に状況が違うかもしれません。
半減期下落サイクルとは?
ビットコインには4年に一度、マイニング報酬が半分になる「半減期」というイベントがあります。
そして過去のパターンを見ると、半減期から約1.5年後に価格がピークアウトし、その後約1年間の下落調整が入るという法則性が見られてきました。
2024年4月20日の半減期で計算すると…
- 2025年10月頃:ピークアウト予想
- 2026年末まで:下落調整期間
この法則に従えば、そろそろ天井をつけて下落に転じる…はずなのですが。
今回が違う3つの決定的な理由
1. ビットコインがデフレ通貨に変貌した
今回の半減期後、ビットコインの年間新規発行率は0.83%まで低下しました。
一方で、ウォレットの紛失などで失われるビットコインは歴史的に約2%とされています。
つまりこういうことです。
毎年2%が失われているのに、新しく生まれるのは0.83%だけ
→ 実質的な供給量は年間1.17%ずつ減少
人類史上、まともに機能してきた通貨の中で、これは初めてのことです。
金(ゴールド)でさえ、価格が上がれば新しい採掘方法にチャレンジできるため、供給が増える余地が残っています。でもビットコインは違います。
供給の上限は2100万BTCで確定しており、これが増えることは絶対にありません。
2. 米国の金利環境が真逆になっている
過去2回の下落局面を詳しく見ると、ある共通点が浮かび上がります。
長期金利が上昇していたタイミングだったのです。
米国20年債の価格が下落(=長期金利が上昇)すると、リスク資産全般に逆風が吹きます。ビットコインも例外ではありませんでした。
では今回はどうでしょうか?
- FRBは2024年にすでに2回の利下げを実施
- 債券市場も底打ちの兆し
- 長期金利は緩やかな低下傾向
ここから長期金利が急上昇するには、FRBがサプライズで利上げするしかありません。でもそれをやったら経済が大混乱に陥るのは目に見えています。
過去にイギリスが突然の利上げを実施して大不況を招いた事例もあり、現在の環境でそんなリスクを取るとは考えにくいです。
3. FRBの量的引き締め(QT)が終了する
これが最も明確な変化かもしれません。
過去2回の半減期1.5年後のタイミングでは、FRBの資産残高が前年比でマイナス成長になっていました。つまり市場から資金が抜かれ続けていたのです。
この資金の減少とビットコインの下落は、ほぼ完璧にシンクロしていました。
2024年10月29日、FRBが重要な発表を行いました
「保有する証券の総額の削減を12月1日に完了する」
→ QT終了が確定
2024年12月以降、FRBの資産残高は増加に転じることが確定しています。
過去2回とは正反対の環境です。
それでもビットコインが頭打ちになっている理由
ゴールドは4,000ドルを超え、半導体指数もNASDAQも日経平均も最高値を更新している中で、なぜビットコインだけが11〜12万ドルで停滞しているのでしょうか?
答えは「OG(初期投資家)の大量売却」です。
11ドルや12ドルでビットコインを買った人にとって、現在の価格は1万倍のリターンです。利確したくなるのは当然ですよね。
実際、2024年7月から8月にかけて、大量の現物売却が確認されています。
OGたちも半減期サイクルの法則を熟知しています。「2025年10月が天井」と考えているなら、その前の7月に売っておこうと思うのは自然な流れです。
加えて、月次リターンの季節性を見ると、8月と9月はビットコインにとってマイナス確率が高い月。だから7月に売り抜けようとする動きが強まりました。
重要なのは、機関投資家や企業は売っていないということ
長期的な需要構造は崩れていません
大切なのは「考え続けること」
正直に言えば、将来のことは誰にもわかりません。
上がるかもしれないし、下がるかもしれません。
でも、少なくとも言えるのは、「過去2回下がったから、今回も同じように下がる」という単純な思考停止は危険だということです。
環境が変わっているのに、過去のパターンだけを頼りに判断するのは、本質を見失うことになりかねません。
もちろん、保有しているビットコインを売却するのは個人の自由です。それは利確という立派な戦略ですから、何の問題もありません。
でも、「下落サイクルが来るから」という理由で新規の売り(ショート)を仕掛けるとか、買い増しのチャンスを完全に見送るというのは、少し慎重になった方がいいかもしれません。
まとめ:3つの変化を頭の片隅に
今回は以下の3点が過去と決定的に異なっています。
- ビットコインがデフレ通貨に変化
- → 実質供給量が年間1.17%減少
- → 人類史上初の真のデフレ資産の可能性
- 米国の金利環境が逆転
- → 過去は長期金利上昇局面だったが、今回は低下傾向
- → FRBは利下げ路線に転換済み
- FRBの量的引き締めが終了
- → 2024年12月1日でQT終了が確定
- → 資産残高は前年比でプラス成長へ
そして現在の価格の頭打ちは、OGによる利確売りが主な要因と考えられます。構造的な需要の崩壊ではありません。
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この記事は情報提供を目的としたものであり、投資の推奨や助言を意図したものではありません。投資判断は必ずご自身の責任で行ってください。

