ゴールド取引で取組高を使いこなす|CFTCポジション明細で売買タイミングを見極める【前編】

ゴールドの売買は取組高の水準が参考になる

こんにちは、佐々木徹です。

2025年10月に入り、ゴールドは市場最高値を更新し続けています。

3,000ドルを超えたあたりから「なんかおかしいな」と感じていた方も多いと思います。さらに今、4,000ドルも視野に入ってきている状況です。

「どういうふうに取引したらいいんだろう?」と興味を持たれている方も、たくさんいらっしゃるのではないでしょうか。

ゴールドと為替では、やり方が少し変わります

日本では為替取引が主流だったりしますが、ゴールドと為替ではやり方が少し変わってくるんですね。

ゴールドの良いところは、現物があるということです。

実際にゴールドのバーが取引されているので、その現物がどういうふうに動いているのか、どういうふうに取引されているのかを追うことができます。これは、為替にはないメリットなんですよね。

現物があるということで、為替よりも内部動向、つまりポジションを持っている人の動向を見ていくと、買い場や売り場、そしてレンジ相場の終わりが分かったりするんです。

取組高という指標を使います

今回紹介したいのは、取組高という指標です。

取組高は、日本では未決済建玉と呼ばれたり、オープンインタレスト、OIと呼ばれたりします。いろんな呼ばれ方があるんですけれども、結局は市場の中に参加しているプレイヤーが、どれぐらいまだポジションを持っているかという大きさだと思ってもらえればいいと思います。

ポジションをたくさん持っている人がいるのであれば、その時は先物市場に大量のお金が入ってきているということです。

逆に、それが抜けているということになると、先物市場からお金が抜けている、入れている人の数が減っているということになるんですね。

CFTCが毎週公開しているデータです

この取組高のデータは、米国のCFTC(商品先物取引委員会)が毎週公開しています。

例えば直近であれば、毎週火曜日の終了時点でポジションを持っているプレイヤーからの状況を集計して、それを翌週の金曜日の夕方、日本時間だと土曜日の朝に公表されるというデータになっています。

まずは動画でご覧ください

実際のチャートを見ながらの方が分かりやすいと思いますので、まずは前編の動画をご覧ください。

取組高で見ると、何が分かるのか

動画をご覧いただくと分かると思いますが、2021年以降のデータを見ると、取組高は大体75万枚を中心に、上は90万枚、下は60万枚あたりで、大体レンジで推移しているんです。

例えば90万枚に到達したタイミングを見てみると、ある程度利益確定が入っているんですよね。これが繰り返されています。

ほぼ値段の動きと取組高の動きが一致しているということが分かると思います。

価格だけを見る問題点

ただ、値段だけを見るテクニカル分析には問題点があるんです。

例えば、ある時期から別の時期を見ると、値段が若干切り上がっているんですよね。ただ、取組高自体は切り上がっていない、水平で見ることができるんです。値段が切り上がった時に、じゃあいくらの値段が手前の値段と同じ条件なのか、値段だけでは分からないわけです。

手前だったら2,430ドル、こっちだったら2,474ドルになっている。じゃあ、45ドルぐらいの差を水平と言っていいのかどうなのか、これは誰にも判断できないということになります。

しかしながら、取組高で見てやると、924、931、953ということで、900を超えている、90万を超えているということで言うと、この3つ全部、要はトリプルトップみたいな感じになってるんですね。

ただ値段は切り上がってきていると。

一定の基準値で同じアクションが期待できます

こういうふうに見ることができるので、一定の基準値に来たときに、値段は前回と違うけれども、何らかの同じアクションが期待されるということが想定しやすいというのが、特徴になっているんです。

直近の市場では、こんな感じです

もちろん、この水準は時代とともに参加者の数や資金の量によって変わってくるんですけれども、あくまで現状はということで見ていきます。

750を中心にして、上下150ぐらいで推移をしているという状況です。

  • 750を割ったら:ある程度買いが入っている
  • 90を超えてくると:一旦利益確定が入っている

直近であれば、750を割ったあたりで買いが入っているというのが見て取れます。

結構、割っている期間が長いんですよね。その間全部が買い場になるのかというところは、また別の見方が必要になる部分もありますけれども、ざっくりそういう感じになっています。

レンジ相場の終わりが分かります

そして、これが重要なポイントなんですけれども、レンジ相場の終わりが分かるんです。

当然、利益確定のタイミングが効かなくなることもあるんですね。それがまさに今起こっています。

9月23日の取組高の水準は898、ほぼ900に到達しています。これが3,797ドル、ほぼ3,800ドルですよね。今までだったら、こんな感じで1週間ぐらい調整が入らないとおかしいんですけど、全然調整していないんです。

これが何を表しているかというと、つまり今まではレンジ相場だったんですよね。レンジ相場だったのが、ここでレンジ相場が終わったということです。

75万に上がった段階で利益確定が入りそうなものが入らずに上がっていった。90万でも利益確定が入らずに上がっていた。

つまり、2025年8月、9月に入った段階で、ゴールドは別の次元に入っていたということが分かるわけですね。

別の要因で上がっているということです

ここから先は、先物市場の参加者主導で今ゴールドの値段が切り上がっているのではなく、別の要因で上がっていると考えないといけないということです。

先物主導での指標である利益確定のタイミングが効かなくなってきているということは、また別の参加者が入ってきているんですね。それは中央銀行であったり、個人の参入であったり、あとはリバランスですよね。

ビットコインの資金の一部をゴールドに回したりであるとか、そういった先物とは別の資金が入ってきているということが分かるわけです。

こんなふうに使えます

利益確定のタイミング、そしてざっくりとした買い場ですね。例えば750という水準を割ってきたあたりが一つの買い場になるというふうな、ざっくりとしたタイミングの考え方ができます。

もしくは、時としてこの750のタイミング水準が、今までサポート水準だったのが天井になったりすることもあるということですね。

さらに、レンジ相場の終わりが分かります。今まで利益確定として使われていた水準で値段が止まらなくなってきているような時は、全く新たな状況に入っているということなので、今までとは違った見方が必要になるということです。

それの明らかな違いが分かってくるんですね。

でも、ここまでだと少し大雑把ですよね

ここまでの内容で、取組高という指標の基本的な使い方は理解いただけたと思います。

ただ、実際に取引しようとすると、こんな疑問が出てくるのではないでしょうか。

「750を割っている期間が長い時、その間ずっと買い場なの?」
「900と750が同じ利益確定って、ちょっと無理があるんじゃない?」
「もう少しタイミングよく見たいんだけど…」

実は、別の指標で見ると、全く同じぐらいの利益確定のタイミングになっているという数値があるんです。

それを、後編で詳しく解説しています。


後編では、もっと精度の高い指標をお伝えします

取組高の「トレーダー数」という、もっとリアルタイムに使える指標があります。

この指標を使うと、より細かいタイミングで売買ポイントが分かるようになります。

後編で学べる内容

メンバー限定の後編動画では、以下の内容を詳しく解説しています。

取組高の「トレーダー数」という指標

先ほど見ていただいたのは、取組高の「金額ベース」でした。

でも実は、もう少しリアルに見ていける指標があるんです。それが、取組高のトレーダー数です。

CFTCに提出しているトレーダーの数が表示されるんですね。これ、結構オープンインタレストの額よりもトレーダー数の方が分かりやすいことがあったりするんです。

具体的な数値基準:
・300人を割ったタイミング:買いのサイン
・330人に到達:利益確定の第一段階
・360人に到達:利益確定の第二段階(エクストリーム)

300で一定の買いが入っている。この幅が30なので、その30を上と下に広げると、それぞれ330から360、300から270という、極端な数値の到達点を出すことができるんです。

データの締め日と公表日の活用方法

よく聞く疑問として、こういうのがあります。

「火曜日に集計されて、そのデータが分かるのは金曜日の夜、日本時間だと土曜日になる。実際使えるのは月曜日じゃないですか。だとしたら、買いのシグナルが出た時点で、もうこの数値になっているのに、何の意味もないじゃないですか」

過去にこんな問い合わせを受けたことがあったりします。

でも、全然そんなことないんです。もったいない見方だなと思うんですよね。

リミットオーダーを使った先回り戦略

例えば、火曜日の締め日で300を割っているとします。この水準はトレーダーが抜けていたということなので、もう1回ここに入ってきた時には買いが入るぞということが分かるわけです。

だとすると、ここに買いのリミットオーダー(指値注文)を入れておくんです。

そうすると、しばらく先に行った時に、やっぱりここに帰ってきた時にバシッと入って、その後リバウンドしているんですよね。

同じように、利益確定のタイミングも使えます。

例えば22日の火曜日に330に到達していますよと。でもデータが公表されるタイミングは翌月曜日じゃないですか。意味ないじゃないですか、という見方もあるとは思います。

でも、それに縛られずに、火曜日の終値の水準が3,390ドルなのであれば、その水準を利益確定の水準に設定しておけば、ここで利益確定ができるわけですね。

1回目で利益確定を逃したとしても、2回目の利益確定のチャンスが当然あるということです。

リミットオーダーがはまらない時の意味

リミットオーダーを入れていても、はまらない時もあります。

こういう時は何かあるんですよね。相場の変化、レンジ相場の終わりを示唆している場合が結構あるんです。

今まではまっていた指値、例えば3,323ドルあたりに値段がはまらなくなっているということは:
・何か新しい買い手が現れている
・何か新しい売り手が来ている
・何か新しい状況に入っている

事実、利益確定されるはずのタイミングでも全然戻ってこないということになるわけですね。

局面が変わった時の対処法

こうなると、取組高を使ったレンジ取引、1週間単位の値幅を狙うというやり方は諦めるしかないです。

その場合は、例えば:

  • ゴールド以外の取引に目を向ける:プラチナやシルバーなど派生商品はどうなのか
  • 移動平均線を使う:例えば5日移動平均線を割ったタイミングで買うというテクニカルな方法

いずれにしても、局面が変わっているとやり方も変わってくるということを、理解しておいていただければいいのではないかなと思います。

ゴールドは「買いだけ」が正解です

最後にお伝えしておきたいのは、ゴールドが右肩上がりになっているのは、歴史的な必然でしかないんですよね。

法定通貨、ドルやゴールド、このチャートが表しているのは、ゴールドとドルの交換比率なんです。

基本的に人類は、ドルや法定通貨を印刷します。でも、印刷できないゴールドの方は価値が一定なので、勝手に通貨の方が薄まっていくから、ゴールドの見た目の値段が上がっていくんです。法定通貨が続く限り、この動きは変わりません。

ですから、安全な取引ということでいくのであれば、ゴールドを取引するなら、利益確定には使うけど、新規ショートには使わないということです。

利益確定で売って、新規ショートしなければ、値幅が取れて終わりです。損はしないですよね。

でも、新規ショートすると持っていかれるんです。持っていかれると何が怖いかというと、どこに戻ってくるか分からない、戻ってくることがないかもしれない。その場合、損失が無限に広がっていくということですね。

下がる場合は3,600ドルしか下がりませんけれども、上がる場合は10倍、20倍に上がる可能性があるので、持っているポジションが永遠に損失を作り始めるということが出てきます。

なので、ショートポジションはリスクが高いということがあります。

そして、この手法をすぐに実践できるツールがあります

ここまで読んでいただいて、「取組高という指標、使えそうだな」と思われたのではないでしょうか。

でも、実際にやろうとすると、こんな疑問が出てくるかもしれません。

  • 「どうやってトレーダー数のデータを見るの?」
  • 「チャートに表示するにはどうすればいい?」
  • 「300人、330人という基準値は、どうやって見つけるの?」

動画で紹介している手法を、そのまま使えます

実は、この動画で解説している取組高のデータ、そしてトレーダー数の表示、これらをすぐに使えるツールがあるんです。

面倒な設定は一切不要。動画で見たチャートと同じものを、あなたもすぐに使えるようになります。

  • 取組高のトレーダー数を自動表示
  • 300、330、360の基準線を簡単に設定
  • 買いサイン、利益確定サインが一目で分かる
  • リミットオーダーの水準も簡単に確認

つまり、動画を見て「いいな」と思ったら、すぐに実践できるということです。

わかりやすい使い方としては

買いだけを見つけると。どうしても利益確定が必要な場合は、これを利益確定のサインとして使うと。

締め日と公表日の関連に関しては、利益確定の水準が分かれば、それを先のところで待っておいて利益確定するというふうな使い方をそれぞれしてやるというところで、取引の効率をずいぶん上げられるんじゃないかなと思います。


後編動画とツールで、今日から実践できます

後編の詳しい解説動画と、すぐに使えるツールをセットでご提供しています。

「分かった」で終わらせず、「今日から使える」ようになります。

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ゴールド取引の新しい武器として

取組高、そしてトレーダー数という指標を使いこなせば、ゴールド取引の精度は確実に上がります。

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そして、それを実現するツールが、今すぐ使えるということです。

あなたのゴールド投資の新しい武器として、ぜひ活用してみてください。

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以上、ゴールドの売買は取組高の水準が参考になるということでお送りいたしました。


参考:ゴールド価格のチャート(TradingView)

免責事項:当コンテンツは教育・情報提供を目的としており、投資助言ではありません。

紹介している手法や数値基準は過去のデータに基づくものであり、将来の成果を保証するものではありません。ゴールド取引には価格変動リスク、レバレッジリスク、為替リスクなどがあり、元本割れの可能性があります。

投資判断および本コンテンツの使用は、すべて自己責任で行ってください。当方は、取引により生じた損失について一切の責任を負いません。

必要に応じて、専門家(金融アドバイザー、税理士など)にご相談ください。

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