こんにちは、佐々木です。
原油が1983年以来、先物市場が始まって以来の週間最大上昇率を記録しました。すごい動きでしたよね。
攻撃50万ドル vs 防衛1,200万ドル
今回の動画で一番お伝えしたかったのは、「守るコストは常に攻めるコストを上回る」ということです。
イラン製ミサイル1発の製造コストは、公開情報で約50万ドル。一方、それを迎撃する側は1,200万ドルかかります。20〜30倍です。
なぜそんなに差がつくのか。迎撃ミサイル1発の命中率が5〜8割しかないので、確実に落とすには4〜5発打つ必要があるんですね。しかもデコイ(おとり)が大気圏外でないと機能しないという物理的な制約があって、迎撃のチャンスが極端に限られます。
そしてここが大事なところです。この防衛コストの膨張は、単に軍事費が増えるだけの話では終わりません。
防衛コスト膨張の連鎖:
防衛コスト増大 → 財政赤字拡大 → 新規国債発行 → 国債価格下落・金利上昇 → 金利抑制のための流動性供給 → ビットコインへの資金流入
この連鎖がなぜ重要かというと、ミサイルの話とビットコインが実はつながっているからです。防衛費の膨張は財政赤字を押し広げ、国債の増発を余儀なくさせます。そして金利が上がりすぎれば、選挙で票が取れなくなるので、結局マネーを刷って抑えるしかない。その流動性がどこに向かうか、という話なんですよね。
富士山を超える山脈が「難攻不落」を作る
そしてもう一つ。地上戦に踏み切った場合、さらにコスト構造が悪化します。
イランにはザグロス山脈という4,600メートル級の山脈がドーンと控えています。富士山より高いです。海沿いからいきなりそびえ立っているので、上陸してから補給物資を全部担ぎ上げないといけない。
しかも山道は限定されるので、両側から挟み撃ちにされるリスクが常にあります。
動画の中でも触れましたが、紀元前300年にアレクサンダー大王がペルシャを攻略した時でさえ、正面突破はしていないんですね。敵の後ろに回り込むゲリラ戦で、しかも綿密な諜報活動があって初めて成功しています。
地上戦のコスト非対称性:
攻撃側 → 全物資を運び上げる必要あり。補給線が長い。時間が経つほど不利。
防御側 → 地元で食料調達可。地形を熟知。洞窟に隠れてゲリラ戦が可能。時間が味方する。
つまり米国は、ミサイル防衛でも地上戦でも、両方ともコスト的に不利な側に立っているということになります。市場がこの構造を読み取って、原油を一気に押し上げたわけですね。
本編ではビットコインとゴールドの関係も
動画の最後でも触れましたが、2025年の入口あたりからゴールドがビットコインに対して強くなっています。その理由は、実は今回の地政学リスクとも深く関係しています。
この辺りの話は、実戦トレーディングカレッジの本編でさらに掘り下げています。「なぜゴールドが強いのか」「なぜ米国がこの戦争をやめられないのか」──チャートの裏側にある構造的な理由を、データで見ていきます。
こういう時だからこそ、目の前の値動きに振り回されずに、裏にあるロジックを把握して生き残っていきましょう。
ではまた。
佐々木 徹

