最近よく聞くようになった「ビットコイン・トレジャリー企業」という言葉。メタプラネットやストラテジー(旧マイクロストラテジー)のような企業を指す言葉として使われていますが、実はこれ、みんなが思っているほど単純な話じゃないんです。
この動画では、BITCOIN JAPAN 2025での登壇内容をベースに、トレジャリー企業の本質を整理してみました。
「トレジャリー企業」の定義は意外と新しい
そもそも、この言葉が使われ始めたのは2025年2月です。
マイケル・セイラーが定義したところによると、「ビットコインを元に資本化され、それを裏付けとして証券を発行する法人」のことを指します。ここで重要なのは「証券を発行する」という部分ですね。
つまり、ただビットコインを保有しているだけではトレジャリー企業とは言えない可能性があるということです。この定義はまだ新しく、確立されたものではありません。ブリタニカ百科事典に載っているような話ではなく、あくまでセイラーが言い始めた概念です。
でも、これって結構大事な視点だと思うんですよね。
実は4つのタイプがある
ビットコインを保有している企業を整理してみると、実は大きく分けて4つのタイプに分類できることが分かりました。
横軸に「時価総額に対するビットコイン保有割合」、縦軸に「ビットコイン価格との株価連動性」を取ってマッピングしてみたのが上の図です。
ピュア・トレジャリー・プレー(右上):ストラテジー、メタプラネット、ビットコイン・トレジャリーなど。時価総額の大部分をビットコインが占め、株価もビットコインと強く連動します。
インフレヘッジ型(左下):TMTG(トランプ・メディア・テクノロジー)やマイニング企業など。ビットコイン保有割合は高いものの、株価連動性はそこまで強くありません。
ベータ・ウィナーズ(左上):テスラ、コインベース、ギャラクシーなど。ビットコイン保有割合は実は驚くほど少ない(テスラは0.1%程度)のに、株価はビットコインと連動する不思議な銘柄群です。
特にテスラの戦略は興味深いですね。イーロン・マスクがX(旧Twitter)を所有していることで、ビットコインが上昇している時は暗号資産関連の発言を増やし、下落時にはロボティクスやAIの話題にシフトすることで、連動性をある程度コントロールできている可能性があります。
これができるのはXを持っているイーロンだけです。
日本企業の現実──52.2%がすでに保有?
2024年5月の日経新聞報道では、上場企業のビットコイン保有は31社でした。
ところが2025年7月のJ-CAM調査(年商300億円以上の企業対象)では、なんと52.2%がビットコインを保有していると回答しています。さらに13%が保有・検討中。つまり、全く興味がないという企業は2割程度しかないんです。
この数字、正直かなり衝撃的でした。
最大の壁は「値段」じゃない
では、ビットコイン保有の障壁は何なのか。
多くの人が「ボラティリティの高さ」と答えると思うかもしれませんが、実際のアンケート結果は違いました。
最大の壁は「社内での合意形成が取れない」(38.3%)と「社会的に一般化していない」(34.1%)でした。つまり、技術的な問題や価格変動リスクよりも、社内の反対や取引先・専門家からの懸念の方が大きいということです。
ボラティリティを理由にする企業は意外と少なかったんですね。
トレジャリー企業は「十社十色」
メタプラネットもストラテジーもテスラも、同じように「ビットコイン関連株」とくくられがちです。
でも実際には、戦略も保有比率も株価連動性も全く異なります。これから日本でもトレジャリー企業が増えていくでしょうが、「みんな同じ」と思い込むのは危険です。
どのタイプの企業なのか、どんなリスクを抱えているのか、自分で見極める必要があります。
動画ではこの辺りをもう少し詳しく解説していますので、興味がある方はぜひご覧ください。
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