「ドル円は下げ相場の方が早い」と聞くことがありますが、本当でしょうか?7千件超のデータからドル円の「上げ」と「下げ」の速度を比較した驚きの結果とは?
下り最速と聞いて藤原とうふ店が浮かぶ方は車好き?
さて下りと言えば「ドル円は下げの方が早い」と耳にすることがあります。本当でしょうか?
当記事では、7千件を超えるドル円のデータをもとに、上げ相場と下げ相場の速度と回数とを比較してみました。その驚きの結果とは?
7千件超のデータから出た結果は?
用意したデータは、1976年8月4日以降のCME円先物のデータです。価格推移だけ抜き出すと、こんな感じです。
では、元データから数値を検証していきましょう。
ただし1ドル300円の時代を入れてしまうと、さすがに今の相場環境と違いすぎてしまいます。
そこで120円程度に落ち着いてきた1988年以降のデータを使って算出することにしました。
終値同士を比較し前日より「高い」価格で終わった日を「上げ相場」、逆に「安い」価格で終わった日を「下げ相場」としておきます。
参考までに元データを置いておきますので、検証してみたいというかたは、ご活用ください。
では、上げ相場と下げ相場の回数を確認してみましょう。
○ 上げの回数 ・・・ 3,716回
○ 下げの回数 ・・・ 3,600 回
○ ドロー(変化なし) ・・・ 109回
計測した期間は1988年1月4日~2017年9月1日までの7,429件です。
これを見る限りは、上げも下げも半々といったところですね。
では「上げ相場」と「下げ相場」それぞれの前日比変化率の平均を取ってみることにしましょう。
○ 上げたときの前日比変化率の平均 ・・・ 「0.497%」
○ 下げたときの前日比変化率の平均 ・・・ 「0.513%」
ん~、微妙すぎる数値ですね。
もう少しイメージを湧きやすくするために、ドル円レートを100円とした場合の値動きに換算してみましょう。
○ 上げ相場 ・・・ 100.000円 → 100.497円 (値幅49.7 pips)
○ 下げ相場 ・・・ 100.000円 → 99.487円 (値幅51.3 pips)
値幅は、上げ相場の平均が49.7pips、下げ相場が51.3pipsとなりました。
結論として、「下げ相場の方が早い、ただし1.6pipsだけ」ということになりました。
「藤原とうふ店」のハチロクが時速100キロで競り合っているときに、時速1.6キロの差。
徒歩でも時速4キロを超えますから、その差で何ができるのだろう?という感想を持つ方もいるかもしれませんね。
まとめ
7000件超のデータから取り出した結果としては、上げ相場と下げ相場の値動き幅の差は、およそ1.6pipsとなりました。
参考までに、直近200日のドル円相場は、一日あたり丁度100 pipsの値動きとなっています。
100 pipsの中の1.6pipsなら、現実のトレードでは誤差の範囲といえるかもしれないですね。
ドル円を取引されたことのあるあなたは、どう思われましたか?感想など聞かせてくださいね。
ハッピー・トレーディング!