ビットコイン価格の急落は、その兆候がブロックチェーン上に刻まれることがあります。その兆候は、未処理取引の量が刻まれるメモリープールに表れることが一般的です。当記事では、ビットコイン急落の兆候を判別する考え方について書いてみます。
メモリープールとは
ブロックチェーンと呼ばれる公開台帳に刻まれた情報こそが唯一の正義であるビットコイン。すべての取引情報が公開されているために改ざんできないことが強みである一方、一度に大量の取引が流入すると処理しきれなくなることがあります。
それら処理できなかった取引は、一旦メモリープールとよばれる場所に記録され、そして取引量が落ち着いてくるとともに徐々に処理をされて平時に戻るという仕組みとなっています。
台風で水量が一気に増えたとき、一時的にダムに水を貯水しておき、雨量が戻ったら徐々に放水して平時に戻すのと似ていますね。
この記事を書いている2023年3月3日現在、ビットコインのメモリプールは高いレベルで推移しています。
下はココスタで提供している「ビットコイン・メールアラート」で届いたお知らせ通知。メモリプール増量が怒濤のごとく届いています。
ビットコインは非中央集権な現金です。現金に実需は存在しません。なぜなら「送金すること自体が目的」だからです。
法定通貨である紙幣も、溶かしてトイレットペーパーにする実用途ならありえますが、そんなことをする人はいませんよね。現実に使うのは、送金需要くらいです。同じですね。
ビットコインがオンチェーン上で動く理由も、送金することだけです。つまりメモリプールが積み上がっている=大量のビットコインが送金されていることを表します。
ではなぜ大量のビットコインが動くかと言えば、「下がる前に売ってしまおうと取引所への送金が集中するから」です。
メモリプール上昇後に値段が急落する傾向があるのは、これが背景にあります。
送金以外の取引が増加しているビットコイン
さて送金のみが実需のビットコインですが、一時的に「送金以外の取引」が増加をしています。
Bitcoin Ordinals と呼ばれる取引が急増をしているためです。
「ビットコインNFT」を実現する新プロトコルOrdinalsへの期待
こうなるとビットコインの取引量急増が、①「取引所への送金が集中している」からなのか、② 「Ordinals利用急増」によるものなのか、分からなくなってしまいます。
では、ビットコイン急落の兆候をブロックチェーンから見つけることは、もうできないのでしょうか?
現時点では、いくつかの方法が残されています。少しだけ見ていきましょう。
採掘者からの送金動向を見る
ビットコインの売り圧力を見るには、マイナーと呼ばれる採掘者からの送金動向を見ることが確実です。
この動向は、たとえばCryptoQuantさんがMPIという指標で公開してくれています。
これを見ると、3月1日の時点でマイナーはビットコインを取引所へと送金していることが分かります。
もちろん、これはCryptoQuant社が独自に集計をしている数値であり、正しいことが保証されているものではありません。
それでも、以下のことは分かります。
- マイナーは3月1日の時点で現物を動かしていた(ようだ)
- メモリプールも同じ時期に積まれていた
- つまりマイナーから現物が大量に取引所へ流れ込んでいた(可能性がある)
以下の動画でも、ブロック情報を使ったビットコインの動向について触れています。
あわせて参考にしてみて頂けましたら幸いです。
ハッピー・ビットコイン!