「スマホは危険だって教わりました。危険なものなら、なぜ世の中に出すんですか?出しておいて危険だから使うなって、大人の都合で振り回すのは止めてください。」
毎日小学生新聞に読者の小学生から届いた質問です。鋭い質問に切り返す編集者の回答が面白かったのでシェアをしてみたいと思います。
大人も苦しんでいます
「スマホが危険なのではなくて、スマホを使って危険なことをする人がいることが問題で、これには大人も苦しんでいます。ではスマホを包丁に置き換えて考えたらどうでしょう?包丁は人を刺せるからと無くしてしまったら、野菜は手で切って食べるしかできなくなりますね。道具の使い方は、人が決めるものなのです。」
素晴らしい回答に拍手をしてしまいました。 さて回答の中の「包丁」はいろんなモノに置き換えられます。例えば、「火」、「水」、「電気」、「ライト」、「化学薬品」、「自動車」など全てそうですね。
- 「火」は使い方を間違えれば火傷で怪我をします。だけど無ければ世の中は全く回らなくなってしまいます。
- 「水」は泳ぎ方を知っていないと溺れてしまいます。だけど水が無ければ人間は生きられません。
などなど。。。
外為取引が悪いのはレバレッジのせい?
- 「レバレッジの効く外為取引」は正しく使わないと資金にダメージを与えます。だけど為替が無ければ個人がスピーディーに効率よく為替レートを取引できる手段は無くなります。
火や水の事例と同じようにスマホをトレードに置き換えると、そんな説明になりそうです。 実際のところ日本ではトレードを始めるのに必要最低限の情報さえ手に入りづらい状況もあり、資金を吹き飛ばす個人が増えて当局は「レバレッジを規制しよう」と動き、2010年ころからレバ規制が入りましたね。
レバレッジの規制について過去に書いた記事: https://cocosta.jp/5797
ヤケドと取引での怪我を防ぐには?
ではレバレッジを規制すれば個人トレーダーは保護できるのでしょうか?仮に子どもをヤケドの怪我から守る方法から考えてみましょう。 子どもにヤケドを負わせないために思いつく安易な方法は「ライターを子どもに持たせた親は罰金」という法律を作ってしまうことです。
ところが家での調理はガスコンロ、アウトドアではキャンプファイア、夏の風物詩は花火で火という「危険」から引き離すというアプローチでは解決につながりません。
おそらく唯一の対処法は、子どもが「火」とのつきあいかたを安全な体験を通して身に付けることだけではないでしょうか?
同じように、取引で口座資金を痛めない為に必要なのはレバレッジを避けることではありません。それよりもトレードや資金管理の最低ルールを最初に学び、それを安全な場所で使い、自分なりの相場との「付き合いかた」を身につけていくことでしかないのです。
それにしても、毎日こども新聞は記事がシャープなので勉強になります(笑)