こんにちは!今回の記事では、米国先物委員会の非公開な機密データを使って研究した論文をもとに、ビットコインと隠れた関係性が強い取引対象を明らかにしていきたいと思います。
市場の底値を探りたい、より洗練された投資戦略を立てたい、そんなあなたにとって、革新をもたらすヒントが隠されているかもしれません。
準備はいいですか?ではさっそく、ビットコイン(BTCUSD)と株式市場の不思議な関係性の世界に飛び込んでみましょう!
ビットコイントレーダーが同時に取引する対象がCFTCの内部データから明らかに
2021年11月に米国先物委員会(以下CFTCと呼びますね)が発表した論文は、トレーダーにとっては、とても興味深いものでした。
参考:だれがビットコインの先物を取引している?なぜ?(Who Trades Bitcoin Futures and Why?)
普段私たちが目にできるのは、CFTCが公開しているCOTデータと呼ばれる一般情報だけなんですね。だから、誰がどれだけのポジションを保有しているかまでは分からないんです。
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参考:CFTCのCOTデータ(Commitments of Traders)は、米国の先物市場における大口トレーダーのポジション情報を週次で報告する公開データです。市場参加者の種類(商業トレーダー、非商業トレーダーなど)ごとのロングとショートのポジション数を提供し、市場のセンチメントや潜在的なトレンド変化を分析するのに役立てられることがあります。
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ところがこの論文では、CFTCがビットコインの先物ポジションを保有する参加者に個別の識別コードを割り振り、それらのポジション保有者が同時に取引している対象を分析しています。
たとえば下のチャートでは、ビットコインとSP500株価指数とを同時保有している参加者の増減を表したものです。左軸の指標は、共通トレーダーの両市場でのポジションサイズを、両市場の時価総額の合計で割ったものとなります。
推移を見ていくと、2021年に入ってから急速に上昇していますね。ずっと横ばいだった2020年までとは別人のようです。
では2020年と2021年を比較して、特にどのような市場参加者に変化があったのかを見ていきましょう。
ビットコイン専業が減り、大口の分散トレーダーが新たに参入
論文では、2020年6月23日と2021年6月22日にわたる1年間でのトレーダー動向の変化を3タイプに分けて追跡しています。
- 集中型:ビットコインが保有ポジションの80%以上
- 分散型:ビットコインが保有ポジションの20%以下
- ハイブリッド型:ビットコインが保有ポジションの20%~80%の間
以下の表が、各タイプの推移です:
これを見ると、ビットコインを専業で取引していた参加者が減り、代わりにビットコインは保有ポジションの2割以下である分散型の参加者が激増していることがわかります。
さらに注目すべきは、A: 集中投資家とB: 分散投資家の最大の違いは、保有しているポジション総額にあります。
2021年の中央値で、集中型が19.5 millionであるのに対し、分散型は16,753 millionと、実に856倍の規模で運用しています。
つまり、時間の経過とともに「ビットコイン以外の市場でも大きなポジションを保有する大口プレイヤーが主導権を握り始めた」ということです。
さらに言えば、これら大口投資家が保有する「ビットコイン以外」の市場動向が、結果的にビットコイン市場への影響力を増していったことが、この内部データから明らかになっています。
では、次の章ではビットコインと並列して保有される取引対象を明らかにしていきましょう。
これがわかれば、ビットコインの値動きにひも付きやすい対象も特定することができますね…
以上は、ビットコイン研究所さんへの寄稿記事(原文はこちら)より前半部分を公開してお送りいたしました。
続きの記事では、ビットコインの大口トレーダーが同時に保有しがちな取引銘柄と規模を明らかにしていきます。
これがわかれば、ビットコイン価格の前後に変動する対象もわかるから、便利ですね!
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