米国が海賊化する2026年|ビットコインから原油まで「足りない分は取り上げる」ための法改正も完了済み【ココスタ】

2025年、米国で何が起きているのか?

こんにちは、佐々木徹です。

2025年も残りわずかとなりました。今年を振り返ると、ゴールドが年初来で60%超という驚異的な上昇を記録する一方、ドルは明確な売り圧力にさらされ続けた一年でした。

では、なぜこのような動きが起きたのでしょうか?

表面的には「米国の利下げ」という理由が語られますが、その背後にはもっと構造的で深刻な問題が潜んでいます。それが、今回の動画テーマである「覇権国家の海賊化」です。

利払費が軍事費を超えた異常事態

2025年、米国では信じられないことが起きています。

年間の利払費が、ついに軍事費を超えてしまったのです。

  • 利払費:9,700億ドル
  • 国防費:9,170億ドル

これがどれほど異常かというと、わずか5年前の2020年には利払費は3,440億ドル、国防費は7,260億ドルでした。つまり、利払費は約2.8倍に膨れ上がり、予算を圧迫し始めているということです。

この穴をどうやって埋めるのか?

その答えが、動画で詳しく解説している「接収戦略」なのです。

「接収」が新たな財源になる時代

2025年、米国では立て続けに興味深い出来事が起きました。

① ミャンマー詐欺拠点から140億ドル接収

ミャンマーとタイの国境付近にある巨大詐欺拠点。米英の協力により、なんと140億ドル相当の資産が接収されました。これは氷山の一角に過ぎません。

② ベネズエラ石油タンカー押収

制裁対象国の資産押収も加速しています。ベネズエラの石油タンカーと原油を合わせて、100〜182億ドル相当が接収されたと見られています。

③ ビットコイン準備金法の成立(2025年3月)

そして最も重要なのがこれです。トランプ大統領が署名したこの法律、実は「ビットコインを購入する」法律ではありません

正確には、「民事・刑事で接収した暗号資産を国家として保持する」という内容なのです。つまり、これは接収に行く意思表示そのものだったわけですね。

④ ステーブルコインのキルスイッチ(7月18日)

GENIUS法により、USDTを含むすべてのドル建てステーブルコインに「キルスイッチ」を埋め込むことが法制化されました。

これにより、米国は世界中のどこにあろうと、ドル建て資産を無効化できる権限を手に入れたことになります。これこそ、ドルの完全武器化です。

17世紀の英国と同じ道を辿る米国

実は、このパターンは歴史上何度も繰り返されてきました。

17世紀の英国も、財政難に陥った際、海賊に「敵国船舶への攻撃許可」を与え、略奪した金銀を国庫に納めさせることで財源を確保しました。

短期的には財政が潤いますが、こうした手法は:

  • 軍事費の増大(略奪のコストが上がる)
  • 技術革新の遅れ(楽に稼げるため投資しなくなる)
  • 国際的信用の失墜

を招き、最終的には覇権を失う原因となりました。

今、米国で起きているのは、まさにこれと同じ構図なのです。

覇権通貨の100年サイクル

動画では、覇権通貨が約100年周期で入れ替わってきた歴史も解説しています。

  • 1450年〜:ポルトガル
  • その後:スペイン → オランダ → フランス → 英国ポンド
  • 1920年〜:米ドル

米ドルが覇権を握ってから、すでに105年が経過しています。歴史的パターンから見れば、そろそろ次の通貨へ移行する時期に差し掛かっているわけです。

では、次は何が来るのか?

人民元?ユーロ?ポンド?円?

実は、どれも決定打に欠けるのが現状です。だからこそ、国籍のないゴールドに資金が流れ込んでいるのです。

EU加盟国の「4%ゴールドルール」

さらに興味深いのが、EUの動きです。

公式発表はされていませんが、EU加盟国はGDP比4%のゴールド保有が条件とされているという情報があります。

実際、2025年に最もゴールドを買い増した国は:

  1. ポーランド(EU加盟、ユーロ未加盟 → ユーロ加盟を目指している)
  2. チェコ
  3. ブルガリア

ポーランドは現在3.88%。あと少しで4%に到達します。つまり、ユーロ加盟のために必死でゴールドを買い集めていると考えれば、すべての動きに説明がつくのです。

2026年、私たちはどう生きるべきか

動画の後半では、こうした激動の時代を生き抜くための視点についても触れています。

① リテラシーが人生を真っ二つにする

2026年以降、リテラシーの有無が人生を決定的に分ける時代になります。

善悪のラベルは、政治的都合で簡単に貼り替えられます。SNSは戦場です。だからこそ、自分で判断する力が必要なのです。

② リベラルアーツこそAI時代に必要

AIが瞬時に答えを出してくれる時代に、人間に求められるのは「高い視点から判断する力」です。

歴史、哲学、倫理。これらの教養があってこそ、AIを正しく使いこなし、本質を見抜くことができるのです。

③ 主観の混じらない数学と物理を信じる

ビットコインは数学です。政治的思惑が入り込む余地のない、純粋な数学とプロトコルで動いています。

だからこそ、こうした不確実性の高い時代に、確実性の高い資産として注目されるのです。

④ 今日1日を最大限に生きる

シェルターを掘っても、ミサイルが飛んできたらどうにもなりません。

それよりも、笑って死ねるような人生を送ること。今日という日を、後悔なく最大限に生きること。これが、実は最も堅実な生き方なのかもしれません。

続編もお楽しみに

今回の動画では、2025年の全体像と2026年への展望を俯瞰的にお伝えしました。

続編では、以下のテーマについてさらに深掘りしていきます:

  • 円・ポンド・ユーロの2025年詳細分析
  • ゴールド市場のトレーディング戦略(金銀比率、スイスフランとの相関)
  • WTI原油の生産者ヘッジ戦略
  • ビットコインの2026年供給動向(取引所在庫枯渇予測)
  • 「ビットコイン不要論」への歴史的視点からの反論

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より深く学びたい方へ

今回の動画で紹介した内容は、あくまで全体像の入り口です。

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※ 本記事および動画は情報提供を目的としており、投資助言ではありません。「海賊化」という表現は歴史的パターンとの比較による筆者の見解です。投資判断は自己責任でお願いいたします。

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