BitMex創業者のArthur Hayes氏、日銀がイールドカーブ・コントロールをやめられない理由をぶった切ってます。かなり痛快なので、ポイントだけ翻訳してみました。
以下はそのツイートです。
1/ イールドカーブ・コントロールは国内の銀行を生きながらえさせるため
— Toru Sasaki (Bitcoin & ゴールド好き) (@CocostaToru) July 18, 2022
なぜBOJ(日銀)はイールドカーブ・コントロールをやめられないのか?
答えは、「国内の銀行システムを生きながらえさせる(支払い能力の確保)ため」に尽きる、、、とArthur Hayes氏は続ける。#日銀
2/ 預金者から金利を奪う
— Toru Sasaki (Bitcoin & ゴールド好き) (@CocostaToru) July 18, 2022
貧弱な成長率、人口構成比、経済的な抑圧により、銀行預金の金利は現実的に日本では0である。
1990年初頭からBOJはミセス・ワタナベにお金を使わせるため、考えつくすべてのことを実行してきた結果でもある、とArthur Hayes氏は言います。#ミセス・ワタナベ #低金利
3/ 手数料で逆にお金が取られる
— Toru Sasaki (Bitcoin & ゴールド好き) (@CocostaToru) July 18, 2022
日本の人々は真面目にはたき、努力で得た余剰資金を預金する。そこに銀行は課金することさえある(手数料)。
なぜなら、銀行からBOJに預け入れる資金にはマイナス金利が課金されるからだ、とArthur Hayes氏は続けます。
4/ BOJの唯一かつ本当の利害関係者に利益を残すため
— Toru Sasaki (Bitcoin & ゴールド好き) (@CocostaToru) July 18, 2022
マイナス金利は、、預金者にも民間銀行にも毒だ。
だからこそBOJは、唯一本当に気をかける利害関係者の銀行が、利益を確保できることを確実にしておかないといけない、とArthur Hayes氏は言います。
5/ イールドカーブを立て銀行の利益を確保する
— Toru Sasaki (Bitcoin & ゴールド好き) (@CocostaToru) July 18, 2022
利害関係にある銀行が利益を確保できるようにするため、BOJは年限ごとに金利ターゲットを決め、長期金利が短期金利を上回る右肩上がりのイールドカーブを目標にした。
(注:利害関係とは、たぶん天下りなどを通じた関係を指しているっぽい)
6/ 長期と短期の金利差で収入を確保
— Toru Sasaki (Bitcoin & ゴールド好き) (@CocostaToru) July 18, 2022
預金者からは短期金利の安いコストで資金を借り入れる。法人には高い長期金利で資金を貸し付ける。
銀行は無リスクで、それら金利差を収益にすることが保証される。#イールドカーブ
7/ 爆弾を抱えた仕組預金などが続々登場
— Toru Sasaki (Bitcoin & ゴールド好き) (@CocostaToru) July 18, 2022
低金利の環境から逃れようと利用者が高金利を求めるところに、仕組預金(コーラブル型)が提供されている。
預金者は0.25%の金利を得る代わりに、銀行側に預入期間の決定権を渡す契約。銀行側は、やすい金利で調達した資金を高い市中金利に回し、鞘を取る。
8/ 仕組預金のヘッジに使われる10年債権 ~
— Toru Sasaki (Bitcoin & ゴールド好き) (@CocostaToru) July 18, 2022
仕組預金を提供する銀行は、預金者に支払う金利を確保するため、0.25%金利の10年債を買う。
日銀がYCCを放棄すれば、債券価格は暴落するし(もともと日銀以外は買っていなかったから)流動性は消える。ヘッジしていた銀行は大損となる。
9/ 買い手不在の10年債 ~ 止めることのできないYCC
— Toru Sasaki (Bitcoin & ゴールド好き) (@CocostaToru) July 18, 2022
日銀は、YCC(イールドカーブ・コントロール)を放棄することで、唯一無二の利害関係者である銀行へ降りかかる悲惨な結末が、十分すぎるほどわかっている。(だからYCCを止めることはできないのだという結論につながります)
10/ まとめ
— Toru Sasaki (Bitcoin & ゴールド好き) (@CocostaToru) July 18, 2022
以上はArthur Hayes氏の最新ブログ記事の一部分を意訳してみました。ソースはこちら。
A Samurai, a Knight, and a Yankeehttps://t.co/za4oCW6fFh
まだまだありますから、ご興味ある方は翻訳ソフトなど活用されてみてはどうでしょう?
11/ 日銀からの天下りについて
— Toru Sasaki (Bitcoin & ゴールド好き) (@CocostaToru) July 18, 2022
Arthur Hayes氏のいう「BOJが唯一気にかける利害関係者:銀行」のくだり、Strategic Capitalが株主提案を出してますね。
歴代社長、日銀出身の方が多いですね(というか、ほぼ全部?)https://t.co/nn8Gje91Wi pic.twitter.com/DEakjkherL
他にもFEDが日本国債を買う可能性とか書かれていて、毎回その発想に刺激される。翻訳載せきれなかったところも、また時折クリプト通信の方でフォローしていきます。
— Toru Sasaki (Bitcoin & ゴールド好き) (@CocostaToru) July 18, 2022
それにしても、”安い短期金利で預金を集め、高い長期金利で貸し出す” のくだり。ちょっと複雑ですね。
暗号通貨の市場にどでかい爪痕を残した3AC。
彼らが破綻した理由は、結局のところ「短期資金をかき集め、資金が長期ロックされる代わりに高いイールドを出す運用」をしていたからでした。
利用者からの解約が殺到し、短期資金が枯渇。運用している長期資金を引き出すにも流動性が足りず最後は破綻。
同じことをやっているのですよね。もちろん預金保護は整備されているものの、根っこの部分は一緒。
日銀のイールドカーブ・コントロールも、考えさせられる取り組みですね。
現場からは以上です。