チャートに出ない予兆-取組高のリズムで分岐点を特定する

相場の転換点は、「分からない」ものだと思っていませんか。

自分もかつてそう思っていた時期もありました。でも、ある数字の見方を覚えてから、転換点は「絞れる」場所に変わりました。その数字は、チャートには現れないんですよね。

その数字というのが、取組高(Open Interest)です。まだ決済されていないポジションの総量を示すもので、価格の上下ではなく、市場にどれだけのエネルギーが溜まっているかを見せてくれます。

そして、このエネルギーには通貨ごとに「限界値」らしき水準があります。

ポジションが溜まりすぎると、何が起きるか

ニュージーランド・ドル(NZD)の先物市場を長期で眺めると、取組高がある一定の範囲でリズムを刻んでいることに気づきます。

おおむね3万枚あたりまで下がると再び上昇に転じ、6万〜6万5千枚に達すると頭を打って反落する。この繰り返しが、何年にもわたって続いています。

もちろん、きっちり同じ数字で折り返すわけではありません。ただ、傾向としては、(通貨次第ですが)かなり規則的です。

ここで大事なのは、取組高が上限に近づいたとき、そこまでの「積み方」を見ることです。

たとえば取組高が急増しながらレートが下落していた場合、新規ポジションの大半はショート(売り)で入っていると推測できます。取組高が限界値に近いということは、そのショートがいつ巻き戻されてもおかしくない水準にある、ということです。

つまり、「そろそろ反転しそうだ」が勘ではなく、構造として見える。

コロナショックが証明したこと

2020年のコロナショックは、この見方の信頼性を逆方向から教えてくれました。

当時、NZDの取組高は6万枚を超えていました。過去の傾向に従えば、底打ちの手前に差しかかっていた水準です。実際、市場参加者のあいだではロング(買い)が積み上がっていたと見られます。

そこに流動性ショックが襲いました。

証拠金が足りなくなったトレーダーたちが、ポジションに関係なくすべてをドルに換えようとした。ニュージーランド・ドルも例外なく売られ、損切りが連鎖し、下落幅は通常では考えられない大きさになりました。

ただし、ふたを開けてみれば、その急落の底が結局は底値でした。取組高が示していた「方向転換が近い」というシグナルは、タイミングこそコロナに乱されたものの、構造としては間違っていなかったわけです。

「絞れる」ために、3つを重ねる

取組高だけで転換を当てられるかといえば、当然そんなことはありません。

ただ、あと2つの要素を重ねると、精度が変わります。

ひとつは、ネットポジションの方向です。取組高が限界値に近づいているとき、新規ポジションがどちら側に偏っているか。ショートが積み上がった状態で上限に達していれば、巻き戻しは買い戻し、つまり上昇方向になりやすい。

もうひとつは、ファンダメンタルズのイベントです。政策金利の発表や重要指標の公表が控えていると、そこを起点にポジション調整が起きやすくなります。

取組高のリズム、ポジションの偏り、イベントの日程。この3つが揃った場面を待つ。それだけで、「いつ動くか分からない」が「この週は注意する」に変わります。

動画で具体的に解説しています

NZDの実際のチャートを使いながら、この3つの要素をどう重ねるかを解説した動画を公開しました。2022年に収録したものですが、考え方自体は時間が経っても変わりません。どの通貨にも応用できます。

この動画で扱ったような構造分析を、毎週リアルタイムの相場で行っているのがトレード通信です。興味があれば、7日間の無料トライアルから試してみてください。同じページから無料メルマガにも登録できます。

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ニュージーランド・ドルに見える規則性

ニュージーランド・ドル(NZD)の先物市場を長期で眺めると、取組高がある一定の範囲でリズムを刻んでいることに気づきます。

おおむね3万枚あたりまで下がると再び上昇に転じ、6万〜6万5千枚に達すると頭を打って反落する。この繰り返しが、何年にもわたって続いています。

もちろん、きっちり同じ数字で折り返すわけではありません。7万5千枚まで伸びたこともある。ただ、傾向としてはかなり規則的です。

ここで大事なのは、取組高が上限に近づいたとき、そこまでの「積み方」を見ることです。

たとえば取組高が急増しながらレートが下落していた場合、新規ポジションの大半はショート(売り)で入っていると推測できます。つまり、取組高が限界値に近いということは、そのショートポジションがいつ巻き戻されてもおかしくない水準にある、ということです。

コロナショックが教えてくれたこと

2020年のコロナショックは、この「取組高のリズム」がどう崩れるかを見せてくれた教科書的な事例でした。

当時、NZDの取組高は6万枚を超えていました。過去の傾向に従えば、底打ちの手前に差しかかっていた水準です。実際、市場参加者のあいだではロング(買い)が積み上がっていたと見られます。

そこに流動性ショックが襲いました。

証拠金が足りなくなったトレーダーたちが、ポジションに関係なくすべてをドルに換えようとした。ニュージーランド・ドルも例外なく売られ、レートは急落します。ロングを持っていた人たちの損切りが連鎖し、下落幅は通常では考えられない大きさになりました。

ただし、ふたを開けてみれば、その急落の底が結局は底値でした。取組高が示していた「方向転換が近い」というシグナルは、タイミングこそコロナに乱されたものの、構造としては間違っていなかったわけです。

3つの要素を重ねる

取組高だけで相場の転換を当てられるかといえば、当然そんなことはありません。

ただ、取組高に2つの要素を重ねると、「分からない」が「絞れる」に変わります。

ひとつは、ネットポジションの方向です。取組高が限界値に近づいているとき、新規ポジションがどちら側に偏っているか。ショートが積み上がっている状態で取組高が上限に達していれば、巻き戻しの方向は買い戻し、つまり上昇になりやすい。

もうひとつは、ファンダメンタルズのイベントです。政策金利の発表や重要指標の公表が控えていると、そこを起点にポジション調整が起きやすくなります。取組高の限界値と、イベントのタイミングが重なる週は、動きの方向が予測しやすくなります。

取組高のリズム、ポジションの偏り、イベントの日程。この3つが揃った場面を待つのが、この見方の使い方です。

動画で具体的に解説しています

今回、NZDの取組高を実際のチャートで追いながら、このフレームワークを解説した動画を公開しました。2022年に収録したものですが、取り上げている考え方自体は時間が経っても変わりません。

この動画で扱ったような市場の構造分析を、毎週リアルタイムの相場で行っているのがトレード通信です。ゴールド・原油・為替・ビットコインの6市場を横断して、取組高やCOTレポート、オプション市場のデータを重ねながら、水面下で何が起きているかを読み解いています。

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