
ホルムズ海峡が揺れています。封鎖、開放宣言、再封鎖、タンカーへの銃撃。米国とイランが一進一退を繰り返す中、原油の値段は毎日振り回されています。
2月末の対イラン攻撃から約7週間。ペルシャ湾と外洋をつなぐ世界最大のエネルギー動脈が、事実上の二重封鎖状態に入っています。約2,000隻の商船が湾内に足止めされ、日本関係の船舶だけでも40隻を超えています。
ニュースでは「原油価格が急騰」と報じられます。
でも、ここで一歩だけ立ち止まってみてください。「なぜ上がったのか」は、実は見えていない部分のほうが大きいのです。
ホルムズ海峡が閉じると、何が起きるのか。
多くの人は「供給が減るから値段が上がる」と理解します。それ自体は正しい。ただ、それだけでは値動きの半分も説明できません。
たとえば、原油の先物市場には「限月」という仕組みがあります。同じWTI原油でも、6月に届けるものと12月に届けるものでは、値段が違います。そして、その差の「形」が、市場参加者の本音を映しています。
近い将来の値段が高く、遠い将来が安い。これを逆ざや(バックワーデーション)と呼びます。
この状態になると、原油を掘っている生産者は「今すぐ売ったほうが儲かる」と判断します。在庫を積むインセンティブがなくなる。すると現物がじわじわと市場から消えていき、値段はさらに下がりにくくなります。
「逆ざやに売りなし」。
コモディティの世界で昔から言われてきた格言です。いま、まさにこの構造がリアルタイムで起きています。
こういう「構造」は、ニュースを追いかけていても見えてきません。
「原油が上がった」「中東が危ない」「ガソリンが高くなる」。その先にある、値段を動かしている力学を理解するには、少しだけ別の視点が必要です。
僕が以前、原油取引の基礎をまとめた講義シリーズがあります。全13本、約60分の動画コースです。このうち9本をYouTubeで無料公開しました。
在庫統計の見方、限月スプレッドの読み方、コンタンゴとバックワーデーションの正体、生産者が「売りたくない」と思う瞬間。原油の値段がなぜそう動くのか、その構造を順番に組み立てていく内容です。
テクニカル指標を覚える講座ではありません。「なぜそう動くのか」が見えるようになる講座です。
いまホルムズ海峡のニュースを見て「原油のことをもう少し理解したい」と感じている方には、ちょうどいいタイミングだと思います。
残りの4本(Vol.10〜13)は、参加者の分析と他市場への波及を扱っています。メールアドレスの登録だけで、すぐに視聴いただけます。
原油の構造がわかると、為替もゴールドもビットコインも、見え方が変わります。

