半減期サイクル発の弱気 vs. QT停止から始まる新たな上昇局面

📊 今週の市場概況

10月6日には史上最高値126,080ドルを記録したビットコインですが、わずか4日後の10月10日、トランプ大統領による中国製品への100%追加関税発表を受けて急落しました。

特にアルトコインは、バイナンスでのクロスマージン（複数のポジションで証拠金を共有する仕組み）の不備を突かれる形で、レバレッジポジションが総崩れとなっています。

しかしながら、ここで注目すべき点があります。

今回の暗号資産市場全体での強制清算額は約193億ドルと、2020年のCOVIDクラッシュ（12億ドル）や2022年のFTX破綻（16億ドル）を大きく上回る過去最大規模となりました。

にもかかわらず、ビットコイン自体の下落幅は約12%程度に留まっているのです。これは過去のクラッシュと比べると、驚くほど影響が限定的だったと言えます。

🔍 市場成熟度の証明

今回のビットコイン下落が10%程度に収まった理由は何でしょうか。

清算額自体は過去最大であるものの、そのベースとなっている取引高自体も圧倒的に過去最大へと拡大しており、市場全体に清算を受け止める流動性が十分に育ってきたことが背景にあります。

市場参加者が圧倒的に増えたビットコインは、以前であれば1日に40%もの下落を見せることもありました。

しかし今は違います。

下落幅も限定的な、成熟したマーケットになっていると言えるのではないでしょうか。

📅 半減期サイクルの終焉？

今回のビットコイン下落で最も興味深いのは、半減期上昇サイクルの終了日と目されていたタイミングで、きれいに下落が発生した点でしょうか。

この下落はビットコインだけにとどまらず、米国株にも広く波及しました。日経平均もデップ（下落の底）をつけた格好となっています。現時点でビットコインは、他のアセット、例えば株式やゴールドに比べて、完全に回復が出遅れている状況です。

このセンチメントの悪化には、いくつかの要因が考えられます。

ビットコイン下落直前に大量のショートポジションを積んでいたアカウント保有者が、再びショートポジションを積み上げていることも影響しているものと考えられます。

また、半減期終了サイクルと予定されていた日程で実際にビットコインが下落したことで、市場には「半減期サイクルは生きていた」という見方が根付いた可能性もあり得るでしょう。

仮に、もし過去の半減期サイクルが繰り返されることとなるのであれば、今から1年間ほどは下落が継続してしまうため、2026年10月後半あたりまでは弱気な相場が続くということになります。

💡 ナスダックとの乖離が示唆するもの

2025年9月10日あたりからナスダック100株価指数は過去最高値を突破しているにもかかわらず、ビットコインは天井を抑えられる状況が続いていました。

これはつまり、どういうことでしょうか。

過去のビットコイン大量保有者が、この半減期サイクルの余波を避けるために、保有するビットコインを売却しに動いていることの裏返しなのかもしれません。ここに、市場参加者の心理が透けて見えます。

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