中間選挙のあと、ビットコインは3回崩れた。強い10月に、プロが保険を外さない理由

中間選挙のあと、ビットコインは3回崩れた
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中間選挙のあと、ビットコインは3回崩れた。
強い10月に、プロが保険を外さない理由

10月に入りました。2026年も、残すところあと1四半期です。皆さま、いかがお過ごしでしょうか。

ビットコインにとって、10月は相性のいい月として知られています。直近8年で見ても、8回のうち6回が上昇でした。

ところが今週のオプション市場では、プロが10月の上値の賭けを手放し、下落への保険も外していません。強い月の入り口で、なぜ市場は身構えているのでしょうか。

筆者は、その背景に米国の中間選挙があると見ています。

今週の主なできごと

ドル高と米国債の動揺が続くなかで、ビットコインは9月を+6%台の上昇で終えました。

日付できごとBTCへの影響
9月25日四半期オプション満期。83,930ドルで決済され、全満期の建玉は約3割減りました建玉が整理され身軽に(中立)
〜9月29日米現物ETFに9営業日連続で資金流入。累計は約31億ドル現物の買いが下支え(強)
9月23〜28日米国債の恐怖指数MOVEが急騰。28日に春以来の100超えレバレッジ縮小の圧力(弱)
9月28日原油(WTI)が93ドル超。暗号資産全体で約3.3億ドルの強制決済一時82,000ドル台へ(弱)
9月29日米消費者信頼感が2014年以来の低水準。10月利上げ観測が後退金利の重しが和らぐ(強)
9月30日米8月コアPCEは前月比+0.2%と予想を下回る。MSCIの意見募集が締め切りインフレ鈍化(中立〜強)
10月1日10月FOMCの利上げ確率が約4割に低下(1週間前は約7割)利上げ観測の後退(強)

10月は、ビットコインが強い月

2018年から2025年までの8年間で、10月の騰落率は中央値で+10.5%です。8回のうち6回が上昇月で、12ヶ月のなかでもはっきり強い月です。

ビットコイン月別騰落率(2018〜2025年)
【図1:ビットコイン月別騰落率(2018〜2025年)】棒は中央値、下段は勝率。10月は中央値+10.5%、8回中6回が上昇です。

この騰落率のグラフは、ココスタのサイトで無料で公開しています。半減期サイクルの同じ年だけ、直近4年だけ、と条件を変えて確かめられるので、ぜひいろいろ触ってみてください。

ちなみに、同じ集計で翌11月は中央値−11.7%と、12ヶ月でいちばん弱い月です。強い10月のすぐ後ろに、1年で最も弱い月が控えているわけです。

強い10月に、プロは保険を外さない

では、この強い月に入るにあたって、市場の体温はどうでしょうか。会員向けにお届けしているDeribitオプション分析レポートの数字を見ると、オプション市場の構えは、この1週間でむしろ慎重になっています。

オプション市場は、相場の「保険」と「宝くじ」が売り買いされる場所だと考えるとわかりやすいと思います。値下がりに備えるプットは火災保険、値上がりに賭けるコールは宝くじのようなものです。

今週は、明日が期限のものから1年先のものまで、11あるすべての満期で、火災保険のほうが宝くじより高い値段で取引されています。

とくに象徴的なのが、10月30日に期限を迎える90,000ドルのコールです。直近24時間でいちばん多く売買された銘柄で、その94%が売りでした。同じ時間に、同じ90,000ドルの11月27日期限のほうは、90%が買われています。

新幹線の切符にたとえるなら、行き先の90,000ドルはそのままに、10月30日発の切符を払い戻して、11月27日発に買い替えた形です。

強いはずの10月に、プロは10月の上値の賭けを手放しました。

ただ、ビットコインの恐怖指数と呼ばれるDVOL(オプション市場が予想する値動きの大きさ)は35前後と、むしろ低い水準にあります。大荒れは予想していないのに、動くなら下という保険だけは外していないわけです。

強気であるべきタイミングで、市場はなぜか下落に身構えています。その理由として、2つの材料が考えられます。

理由その1 ― 10月16日、MSCIの判断

1つは、10月16日前後に予定されているMSCIの判断です。MSCIは、世界中の機関投資家が運用の物差しにしている株価指数の提供会社です。

ビットコインの上昇を強く牽引してきたストラテジー社やメタプラネットのように、ビットコインを大量に保有する会社を、その指数から外すかどうかが決まります。

除外が決まれば、指数に連動して株を持っている資金は、これらの株を売らなければなりません。株価が下がれば、「株を売ってビットコインを買う」仕組みも回りにくくなります。市場はこの失望を警戒している、というのが1つ目の見方です。

MSCIの判断が、BTC最大の買い手を左右する
【図2:MSCIの判断が、BTC最大の買い手を左右する】見送りなら追い風、除外なら指数連動の売りが出ます。

理由その2 ― 米国債の恐怖指数MOVE

もう1つは、米国債です。金利の上昇が止まらないという報道は、皆さんも毎日、耳にタコができるほど聞いていると思います。

それよりも見ておきたいのは、米国債の恐怖指数と呼ばれるMOVE指数です。米国債のオプションが織り込む値動きの大きさを示す指数で、9月23日の5年債入札の不調をきっかけに、2日で約35%跳ね上がりました。28日には春以来の100超えとなり、足元では110前後まで上がっています。

株の恐怖指数VIXが16前後で落ち着いているのとは対照的です。いま揺れているのは株ではなく、世界でいちばん安全とされる米国債のほうなのです。

筆者の仮説 ― 中間選挙のあとに来る「事故」

では、オプション市場は何をそこまで構えているのでしょうか。ここからは筆者の仮説ですが、アメリカの中間選挙が影響しているのではないかと考えています。

図3は、ビットコインの半減期サイクルに、中間選挙の日付を縦線で加えたチャートです。紫の帯は、中間選挙と、半減期の1年半前から始まる上昇ウィンドウの入り口(Window Entry)が重なる時期です。

半減期サイクルと中間選挙
【図3:半減期サイクルと中間選挙】紫の帯は中間選挙とWindow Entryが重なる時期。過去3回とも、その直後に大きな下落が起きています。
チャートの拡大版(TradingView)はこちら

こうして並べると、2018年と2022年は、2回とも中間選挙を終えてから激しい下落が起きています。2014年も、中間選挙が終わり、上昇ウィンドウに入った直後に大きく崩れました。

中間選挙その後の大底(下落率)引き金になった事故
2014年11月4日2015年1月14日(−53%)Bitstampから約19,000BTCが流出
2018年11月6日2018年12月15日(−51%)ビットコインキャッシュの分裂騒動
2022年11月8日2022年11月21日(−25%)FTXの破綻

下落率は、中間選挙当日の始値から大底までの値です(Bitstamp日足)。

ただ、この3回にはどれも、ビットコインの内側で起きた事故がありました。

2014年は、大手取引所のビットスタンプから約19,000BTCがハッキングで盗まれた事件です。

2018年は、ビットコインキャッシュがさらに2つのチェーンに分裂した騒動(ハッシュ戦争)です。採掘の計算力が奪い合われ、ビットコイン本体のハッシュレートも落ち込むなかで、資金が逃げ出しました。

そして2022年は、FTXの破綻です。

過去3回とも、その時のビットコインの上昇を背負っていた大きな柱がぽきっと折れ、それがたまたま中間選挙の後に重なった、とも言えます。

冒頭で触れた11月の弱さにも、このうち2回がそのまま効いています。2018年11月は−37.0%、2022年11月は−16.2%でした。

そして今回、上昇ウィンドウの入り口は10月11日、中間選挙は11月3日です。この間に、気になる日付がいくつも重なっています。

日付予定
10月2日(金)米9月雇用統計(日本時間21時30分)
10月11日(日)半減期サイクルの上昇ウィンドウ(Window Entry)入り
10月14日(水)米9月CPI
10月16日(金)前後MSCIが、ストラテジー社などを指数から外すかどうかの判断を発表
10月28日(水)FOMC(結果は日本時間29日3時)
10月30日(金)Deribitの10月末オプション満期
10月31日(土)マウントゴックスの弁済期限
11月3日(火)米中間選挙

市場が買っているのは、予言ではなく保険

もっとも、Deribitのオプション市場の参加者が、こうした事故を予言しているわけではないと思います。

自分たちのポートフォリオから事故が起きたときの損失を計算し、その一部をオプション市場でヘッジしていると考えるのが自然です。リスクリバーサル(同じ距離だけ離れたプットとコールの値段の差)がプット偏重になっているのは、その保険料の表れでしょう。

相場全体が大荒れになるとは見ていません。それでも、下に崩れたときの保険だけは手放せないのです。今の市場の心理は、ここにあると考えます。

筆者の見立て

強い10月の入り口で、プロは保険を外していません。ただ、保険が厚く積まれた相場ほど、何も起きなければ上に跳ねやすくなります。筆者は、どちらかと言えばそちらを本命と見ています。

では、ビットコインはもう、下落に備えるしかないのでしょうか。

実は、そうとも言い切れません。2024年以降に3回だけ現れ、そのたびにビットコインが2ヶ月以内に高値まで16〜67%上昇したサインが、今週また現れているからです。

米国債の恐怖指数と、ビットコインの恐怖指数の「開き」です。

ここまで無料

2024年以降、3回だけ点灯したサイン。
今週の4回目は、どこを指しているのか。

続き(BTCフォーキャスト本編)では、このサインの正体と、10月にどの価格で何を見ればいいかを数字で追いかけています。最初の7日間は無料なので、今週号をそのまま読んでから決めてもらえます。

  • 米国債が揺れても、ビットコインが揺れていない理由。3回点灯したサインの中身
  • 金利5%の世界で、ゴールドではなくビットコインが選ばれる消去法
  • 折れたら効く4本の柱と、3つのデータが重なる「割ってはいけない価格帯」
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ハッピー・ビットコイン!!
ココスタ 佐々木徹

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